小径しょうけい)” の例文
旧字:小徑
深山を下ること二里余り、紺碧こんぺきの水をたたえたる湖のほとりへ出た。ここで渇したるのどを清水にうるおし、物凄き山中を行くと、深林の中に人が歩るいたらしい小径しょうけいがある。
しかしこれは山間の小径しょうけいで秋草が道をおおっているので行軍に難渋した。しかも、一万二千の大軍であるから夜明け前に妻女山に到着する筈であったのが、はるかに遅れた。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)