飛立とびた)” の例文
おっしゃった事がほんとうなら飛立とびたつ程嬉しいが、只今も申す通り、わしは今じゃア零落おちぶれて裏家住うらやずまいして、人力をいやしい身の上
可愛かはゆつまあねことなれば、やさしきゆるしのねがはずしてるに、飛立とびたつほどうれしいを此方こなたわざいろにもせす、ではきませうかと不勝々々ふしよう/″\箪笥たんすかくれば
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なんだかきふいけなかがさわがしくなりました。魚類さかなたちがいつもの舞踏ダンスをはじめたのです。それをみると、もう飛立とびたつばかりにうれしくなり、なにもかもすつかりわすれて
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
せきをすると、じつるのを、もぢや/\とゆびうごかしてまねくと、飛立とびたつやうにひざてたが、綿わたそつしたいて、立構たちがまへで四邊あたりたのは、母親はゝおやうちだとえる。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一同いちどう飛立とびたつて、四方しほう見廻みまわしたが、なにえない。さてこゝろまよひであつたらうかと、たがひかほ見合みあはとき、またも一發いつぱつドガン! ふと、大空おほぞらあほいだ武村兵曹たけむらへいそうは、破鐘われがねのやうにさけんだ。
わたしは本当に飛立とびたほどうれしく、自分のつぶれた事も思はないでサ、早くおまへつて此事このことを聞かしたいと思つたから、おまへ空杖あきづゑいて方々はう/″\さがして歩くと
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくし艇中ていちう一同いちどうて、じつおどろ飛立とびたつたよ。