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青楼
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せいろう
ふりがな文庫
“
青楼
(
せいろう
)” の例文
旧字:
青樓
友人にも同じくその
由
(
よし
)
をいって無理やりに、その晩は
家
(
うち
)
へ帰って来たというが、
青楼
(
せいろう
)
などでは、往々にして、こういう
談
(
はなし
)
を聞くようである。
一つ枕
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
内は
前栽
(
せんざい
)
から玄関もほかの
青楼
(
せいろう
)
とはまるで違う上品な
館
(
やかた
)
づくりだ。長い廊から廊の
花幔幕
(
はなまんまく
)
と、所々の
鴛鴦燈
(
えんおうとう
)
だけが
艶
(
なま
)
めかしいぐらいなもの。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たまに帰ると家よりも
青楼
(
せいろう
)
で深酌高唱、時にはまだ学生の庄吉をつれて出たまゝ倅まで青楼へ泊めてしまふていたらくで
オモチャ箱
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
若
(
もし
)
江戸にいださば
朱門
(
しゆもん
)
に
解語
(
かいご
)
の花を
開
(
さかせ
)
、あるひは又
青楼
(
せいろう
)
に
揺泉樹
(
えうせんじゆ
)
の
栄
(
さかえ
)
をなし、此
隣国
(
りんごく
)
出羽に
生
(
うま
)
れたる小野の小町が如く
美人
(
びじん
)
の名をもなすべきに
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
揚州十年の
痴夢
(
ちむ
)
より一覚する時、
贏
(
か
)
ち得るものは
青楼
(
せいろう
)
薄倖の名より他には何物もない。病床の談話はたまたま
樊川
(
はんせん
)
の詩を言うに及んでここに尽きた。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
このお稲荷さんを修心すれば、長く客足を引きとめておくことができるというので、
旅籠
(
はたご
)
や
青楼
(
せいろう
)
、その他客商売の参詣で賑わって、たいへんに繁昌したもの。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
町は一丁目から五丁目までありますが、二丁目から三丁目までに
青楼
(
せいろう
)
があり、大きな二階三階が立ち並んでいて、土地で
羽振
(
はぶり
)
のよいのはその青楼の主人たちです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
歌麿は「
青楼
(
せいろう
)
十二
時
(
とき
)
」この方、版下を
彫
(
ほ
)
らせては
今古
(
こんこ
)
の名人とゆるしていた竹河岸の
毛彫安
(
けぼりやす
)
が、
森治
(
もりじ
)
から出した「
蚊帳
(
かや
)
の
男女
(
だんじょ
)
」を彫ったのを最後に、突然死去して間もなく
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
花柳
(
かりゅう
)
の間に
奔々
(
ほんぽん
)
して
青楼
(
せいろう
)
の酒に酔い、別荘
妾宅
(
しょうたく
)
の会宴に
出入
(
でいり
)
の芸妓を召すが如きは通常の人事にして、甚だしきは大切なる用談も、酒を飲み
妓
(
ぎ
)
に戯るるの
傍
(
かたわ
)
らにあらざれば
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
狗
(
いぬ
)
が尾を振っている。柳があって
青楼
(
せいろう
)
が
列
(
つらな
)
り、その先は即ち河口の港で、遠洋から帰った軍艦商船が
碇
(
いかり
)
を
卸
(
おろ
)
しているという趣向である。絵巻物のない国の人には解し得られない興味である。
峠に関する二、三の考察
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この
艱難
(
かんなん
)
を
余所
(
よそ
)
にして金が
調
(
ととの
)
えりといいては
青楼
(
せいろう
)
に登り
絃妓
(
げんぎ
)
を
擁
(
よう
)
しぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
たまに帰ると家よりも
青楼
(
せいろう
)
で深酌高唱、時にはまだ学生の庄吉をつれて出たまま倅まで青楼へ泊めてしまうていたらくで
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
若
(
もし
)
江戸にいださば
朱門
(
しゆもん
)
に
解語
(
かいご
)
の花を
開
(
さかせ
)
、あるひは又
青楼
(
せいろう
)
に
揺泉樹
(
えうせんじゆ
)
の
栄
(
さかえ
)
をなし、此
隣国
(
りんごく
)
出羽に
生
(
うま
)
れたる小野の小町が如く
美人
(
びじん
)
の名をもなすべきに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
種彦は屋根船の中に揺られながら眠っているような心持もすれば、また高い
青楼
(
せいろう
)
の二階の深い
積夜具
(
つみやぐ
)
の中にふうわりと
埋
(
うず
)
まっているような心地もする。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
将軍家をはじめ天下万民、いかなることになり行くかと、世を挙げて憂い
愁
(
かな
)
しみ、御国の悩みを身の悩みとしておる際に——
青楼
(
せいろう
)
で歌を謡うとは何事だ。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの辺の
青楼
(
せいろう
)
やなんかは、イヤもう、どこへ行っても
伊賀訛
(
いがなまり
)
でいっぱいだ。毎日
隊伍
(
たいご
)
を組み、豪刀をよこたえて、こけ猿の茶壺やいずこ? と、江戸市中をさがしまわっている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
これは友人の
談
(
はなし
)
だ、ある年の春の末、もう青葉の頃だったが、その男は
一夜
(
あるよ
)
友人に誘われて
吉原
(
よしわら
)
のさる
青楼
(
せいろう
)
へ
上
(
あが
)
った、前夜は
流連
(
いつづけ
)
をして、その日も朝から酒を飲んでいたが、
如何
(
いか
)
にも面白くない
一つ枕
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
江戸には雪の
降
(
ふら
)
ざる年もあれば、初雪はことさらに
美賞
(
びしやう
)
し、雪見の
船
(
ふね
)
に
哥妓
(
かぎ
)
を
携
(
たづさ
)
へ、雪の
茶
(
ちや
)
の
湯
(
ゆ
)
に
賓客
(
ひんかく
)
を
招
(
まね
)
き、
青楼
(
せいろう
)
は雪を
居続
(
ゐつゞけ
)
の
媒
(
なかだち
)
となし、
酒亭
(
しゆてい
)
は雪を
来客
(
らいかく
)
の
嘉瑞
(
かずゐ
)
となす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
該書は十八世紀日本美術なる総称の下に『
青楼
(
せいろう
)
の画家歌麿』と題せられ全巻を二篇に
分
(
わか
)
てり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今年正月
友人
(
いうじん
)
らと梅見にゆきしかへるさ
青楼
(
せいろう
)
にのぼり、その
暁
(
あかつき
)
雨ふりいだししが、とみにやみけるゆゑ青楼を
出
(
いで
)
て日本堤にさしかゝりしに、
堤
(
つゝみ
)
の下に柳二三
株
(
ぼん
)
あり、この柳にかゝりたる雨
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“青楼”の意味
《名詞》
妓楼、遊郭、売春宿。
(出典:Wiktionary)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
楼
常用漢字
中学
部首:⽊
13画
“青楼”で始まる語句
青楼美人合
青楼妓院
青楼十二時