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難所
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なんしよ
俥が
霞ヶ
關へ
掛つて、
黒田の
海鼠壁と
云ふ
昔からの
難所を
乘る
時分には、
馬が
鬣を
振るが
如く
幌が
搖れた。
出し
東海道は
廻遠し
難所にても山越に御
下向有べしとて
勢州田丸街道へ先觸を
民子をのせて
出た
雪車は、
路を
辷つて、十三
谷といふ
難所を、
大切な
客ばかりを
千尋の
谷底へ
振り
落した、
雪ゆゑ
怪我はなかつたが、
落込んだのは
炭燒の
小屋の
中。