離別りべつ)” の例文
これぞくむしらせとでもいふものであらうかと、のちおもあたつたが、此時このときはたゞ離別りべつじやうさこそとおもるばかりで、わたくし打點頭うちうなづ
二十年まえに離別りべつした人でこの家の人ではないけれど、現在げんざいお政の母である以上は、まつりは遠慮えんりょしたほうがよかろうと老人ろうじんのさしずで、忌中きちゅうふだを門にはった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
最後には女神めがみイザナミの命が御自身で追つておいでになつたので、大きな巖石をその黄泉比良坂よもつひらさかふさいでその石を中に置いて兩方でむかい合つて離別りべつの言葉をかわした時に
大岡殿に向ひいな昌次郎夫婦をころせし者傳吉の外には御座ござなく其故は昌次郎女房にようばうは元傳吉が妻にて傳吉はたゞ今の妻專と密通みつつう仕つり母諸共梅は離別りべつせられ道路だうろ餓死がし仕るべき有樣なるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さあなんとなりしてくだされといて、そでとりすがりてもだゆるに、もとよりくゝはらぬつまこと離別りべつなどゝはとき威嚇おどしのみなれば、すがりてくを時機しほに、わがまゝ者奴ものめひじらけ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これを聞くと官兵衛は、もう一子との離別りべつなどは、問題でない心地がした。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり離別りべつしむ記念にするのであろう。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
分手當も仕つり離別りべつ致せし所同村百姓共の世話せわにて不義の相手惣内方へ取持仕つり又伯父九郎兵衞儀もさいはひ惣内親惣左衞門は相果あひはて母親はゝおやふかばかりゆゑかれが方へ參り度と申にまかせ里に付て伯父を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
恨み遺恨ゐこんに思ふかせがれ惣内と里と不致居る旨申掛離別りべつ致候故私しども親子道路だうろ餓死がしも仕つるべく候處惣内儀見兼候儘私し共を引取ひきとり世話せわいたしくれ其後百姓共取持にて惣内へ里を娶合めあはせ候然るに九助は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)