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しんもつ
ふりがな文庫
“
進物
(
しんもつ
)” の例文
たとえば八
朔
(
さく
)
の朝など、諸家の
進物
(
しんもつ
)
で広間が埋まるほどな物も、そばから人に与えてしまうので、夕には一物もなかったということです。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
風呂敷
(
ふろしき
)
が
少
(
すこ
)
し
小
(
ちひ
)
さいので、
四隅
(
よすみ
)
を
對
(
むか
)
ふ
同志
(
どうし
)
繋
(
つな
)
いで、
眞中
(
まんなか
)
にこま
結
(
むす
)
びを
二
(
ふた
)
つ
拵
(
こしら
)
えた。
宗助
(
そうすけ
)
がそれを
提
(
さ
)
げた
所
(
ところ
)
は、
丸
(
まる
)
で
進物
(
しんもつ
)
の
菓子折
(
くわしをり
)
の
樣
(
やう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
母親もちょっと
烟
(
けむ
)
に巻かれた形で
進物
(
しんもつ
)
の礼を述べた後、「きれいにおなりだね。すっかり見違えちまったよ。」といった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが、侯爵からの
進物
(
しんもつ
)
だといふので、この頃は何処へ出掛けるにもそれを四季袋の中へ入れるのを忘れない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「これはただいま途中で手に入れたいぬだ。
珍
(
めずら
)
しいものだから
進物
(
しんもつ
)
にする」とおっしゃって、さっきの白いぬを
若日下王
(
わかくさかのみこ
)
におくだしになりました。しかし
王
(
みこ
)
は
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
なし
節句前毎
(
せつくまへごと
)
に
藥禮
(
やくれい
)
の
目録
(
もくろく
)
其他の
進物
(
しんもつ
)
など
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふる
)
如く成れば作藏は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いよいよ、名づけ親としてのわしの
進物
(
しんもつ
)
をおまえにあげる時がきた。わしは、おまえを評判のお医者にしてあげる。おまえが病人のとこへ呼ばれるときには、そのたんびにわしが姿を見せてあげる。
死神の名づけ親(第一話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
その
進物
(
しんもつ
)
を国許から江戸へ送って来るには、もちろん相当の侍も付いているに相違ありませんが、その供の者、すなわち中間どもの中に良くない奴があって、事情を知って一と箱ぐらいを盗み出し
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
療治
(
れうぢ
)
の
報酬
(
はうしう
)
に
藥箱
(
くすりばこ
)
の
進物
(
しんもつ
)
といふのは、
少
(
すこ
)
し
變
(
へん
)
だが、
本道
(
ほんだう
)
のほかに
外療
(
げれう
)
も
巧者
(
かうしや
)
の
玄竹
(
げんちく
)
は、
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
の
怪我
(
けが
)
を
十針
(
とはり
)
ほども
縫
(
ぬ
)
つて、
絲
(
いと
)
に
絡
(
から
)
んだ
血腥
(
ちなまぐさ
)
いものを、
自分
(
じぶん
)
の
口
(
くち
)
で
嘗
(
な
)
め
取
(
と
)
るといふやうな
苦勞
(
くらう
)
までして
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
駿府の城ではお目見えをする前に、まず献上物が
広縁
(
ひろえん
)
に
並
(
なら
)
べられた。
人参
(
にんじん
)
六十
斤
(
きん
)
、
白苧布
(
しろあさぬの
)
三十疋、
蜜
(
みつ
)
百斤、
蜜蝋
(
みつろう
)
百斤の
四色
(
よいろ
)
である。江戸の将軍家への
進物
(
しんもつ
)
十一色に比べるとはるかに
略儀
(
りゃくぎ
)
になっている。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「冗談じゃないよ。頼む。
進物
(
しんもつ
)
だ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
母親も
一寸
(
ちよつと
)
烟
(
けむ
)
に巻かれた形で
進物
(
しんもつ
)
の礼を述べた
後
(
のち
)
、「きれいにおなりだね。すつかり
見違
(
みちが
)
へちまつたよ。」と
云
(
い
)
つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「何と、
夥
(
おびただ
)
しい進物の台の数ではないか。あれがみな筑前の手みやげなりと彼は云いおる。中国入りのしるしまでに、携えて来た
進物
(
しんもつ
)
とは、いやさすがに、
大気者
(
たいきもの
)
大気者。あはははは」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先日
(
こなひだ
)
氏の
許
(
とこ
)
へ或人から一瓶の
進物
(
しんもつ
)
を贈つて来た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
甘栗は下のおかみさんへの
進物
(
しんもつ
)
にしたのである。この進物でかみさんはすっかり懇意になり、お照が
鉄瓶
(
てつびん
)
の水を
汲
(
く
)
みにと、下へ降りて行った時
袖
(
そで
)
を引かぬばかりに
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
オリブ色の
吾妻
(
あずま
)
コオトの
袂
(
たもと
)
のふりから
二枚重
(
にまいがさね
)
の
紅裏
(
もみうら
)
を
揃
(
そろ
)
わせ、片手に
進物
(
しんもつ
)
の菓子折ででもあるらしい絞りの
福紗包
(
ふくさづつみ
)
を持ち、出口に近い釣革へつかまると、その下の腰掛から
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“進物”の意味
《名詞》
進物(しんもつ)
人に対して進上する物。贈り物。
(出典:Wiktionary)
“進物(贈り物)”の解説
贈り物(おくりもの、en: present プレゼント、あるいは gift ギフト)とは、何らかの気持ちをこめて贈るものを指す。ご進物(ごしんもつ)とも。
(出典:Wikipedia)
進
常用漢字
小3
部首:⾡
11画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“進物”で始まる語句
進物籠
進物台
進物番
進物之奉行