警固けいご)” の例文
駕籠のまわりは水野家の足軽が五十人、一様に新しい柿の帷子かたびらを着、新しい白の股引をはいて、新しい棒をつきながら、警固けいごした。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
程なく彼の船と、警固けいごはしけとが、両国下の横堀へ入ると、そこの一つ目橋の上に、先刻さっきの十一名が欄干に姿をならべていた。そして
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頼み彌陀如來すくはせ給へと口の内今ぞ一期と看念かんねんなし水淺黄色みづあさぎいろあはせの上に切繩きりなはかけ馬の上にしばり付られ眞先には捨札紙幟かみのぼりを立與力同心警固けいご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わしは馬車の中で警固けいごの武士らに父の安否をききました。彼らは詳しく詳しく語りました。不必要な微細なことまで。わしをはずかしめるために。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
四ばんに小児の警固けいごおもひ/\身をかざりてしたがふ。次に大人の警固けいご麻上下つゑを持て非常ひじやうをいましむ。
「ご立腹ごもっともにござりまするが、てまえは伊豆守様のご内命こうむりまして、お出迎えご警固けいごに参りました八丁堀の同心、役儀のある者でござりましてものぞいてはなりませぬか」
一、上野介殿御屋敷へ押込おしこみはたらきの儀、功の浅深せんしんこれあるべからず候。上野介殿しるしあげ候者も、警固けいご一通ひととおりの者も同前たるべく候。しかれ組合くみあわせ働役はたらきやくこのみ申すまじく候。もっとも先後のあらそい致すべからず候。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
再び警固けいごの人数に加わって車の跡に附き随い、左大臣の邸まで供をして行って、そこからひとりとぼ/\と深夜の街を家路に就いたが、その途々も、一歩は一歩ごとに恋しさが増して行った。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そこで、八幡太郎はちまんたろうにおいいつけになって、御所ごしょ警固けいごをさせることになりました。義家よしいえおおせをうけると、すぐよろい直垂ひたたれかためて、弓矢ゆみやをもって御所ごしょのおにわのまん中にって見張みはりをしていました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
警固けいごの杖のとどろとどろ。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
本陣、おん大将の寝所幕しんじょまくのあたりにも、夜詰よづめのさむらい警固けいごするやりが、ときおり、ピカリ、ピカリとうごいてまわる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
致され恐入おそれいつ退出たいしゆつせらる跡より大目附土屋六郎兵衞下馬げばより駕籠かご打乘うちのり御徒士目附おかちめつけ御小人目附おこびとめつけ警固けいごして越前守を數寄屋橋内の御役宅へ送られ土屋六郎兵衞より閉門へいもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
 寛平くわんびやう法皇此事をきこしめして大におどろかせ給ひ、御車みくるまにもめし玉はず俄に御くつをすゝめ玉ひて清涼殿に立せ玉ひ、かくと申せとおほせありしかども左右の諸陣警固けいごして事を通ぜず
たちまちの乱軍に、梅雪入道ばいせつにゅうどうがこうさけんだのも、もっとも、大切な駕籠はほうりだされて、いつのまにか、警固けいご武士ぶしはみなそのそばをはなれていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
架渡かけわた領主りやうしゆ稻葉家の普請ふしんにて今日公卿方此橋を御通行あるにより同家より警固けいごの人數嚴重に御道筋おみちすぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
 寛平くわんびやう法皇此事をきこしめして大におどろかせ給ひ、御車みくるまにもめし玉はず俄に御くつをすゝめ玉ひて清涼殿に立せ玉ひ、かくと申せとおほせありしかども左右の諸陣警固けいごして事を通ぜず
『——吉良様がお替地かえちになった。呉服橋のお邸を引き払って、八月二十日迄に、本所の松坂町へお引越をせねばならぬのじゃ。どうしても、その折には、警固けいごが要る』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
医者の詰所であるひのきに二人は控えていて、内匠頭を呼び出した。警固けいごとして徒士目付かちめつけの屈強なのが、三名ずつ両側に居並ぶ。その中ほどへ、内匠頭は静かに坐った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
警固けいごについた者たちを見ると、おなじ黒布こくふをかぶり黒衣こくいをつけた吹針ふきばり蚕婆かいこばばあをはじめ、呂宋兵衛のふところ刀、丹羽昌仙にわしょうせん早足はやあし燕作えんさく、このほか、うでぶしの強そうな者ばかり
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
案内としてではあるが、実は、警固けいごであることはいうまでもない。いつ暴れ出すか知れない猛虎は、おりに入れて飼い馴らすまでは、決してまだ安心はないとしているふうであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば、伊丹亘が、その便宜べんぎを与えてやっても、城門の守りは、彼の一手だけではない。まして、伊丹城はいまや、四六時中、警固けいごに警固をげんにされている非常時中の城だった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)