葬儀さうぎ)” の例文
其後そのご雲飛うんぴ壮健さうけんにして八十九歳にたつした。我が死期しききたれりと自分で葬儀さうぎ仕度したくなどをとゝの遺言ゆゐごんして石をくわんおさむることをめいじた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ひと生血いきちをしぼりたるむくひか、五十にもらで急病きうびやう腦充血のうじうけつ、一あさ此世このよぜいをさめて、よしや葬儀さうぎ造花つくりばな派手はで美事みごとおくりはするとも
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宗助そうすけ亡兒ばうじのために、ちひさいひつぎこしらえて、ひとたない葬儀さうぎいとなんだ。しかるのちまたんだもののためにちひさな位牌ゐはいつくつた。位牌ゐはいにはくろうるし戒名かいみやういてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
カピ長 婚儀こんぎためにと準備よういした一さい役目やくめへて葬儀さうぎよういはひのがくかなしいかね、めでたい盛宴ちさう法事ほふじ饗應もてなしたのしい頌歌しょうかあはれな挽歌ばんか新床にひどこはなはふむ死骸なきがらようつ。
女房にようばうんだとき卯平うへい枕元まくらもとなかつた。村落むらには赤痢せきり發生はつせいした。豫防よばう注意ちういなにもない彼等かれらたがひ葬儀さうぎうてすこしの懸念けねんもなしに飮食いんしよくをしたので病氣びやうき非常ひじやういきほひで蔓延まんえんしたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)