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ひざもと
ふりがな文庫
“
膝元
(
ひざもと
)” の例文
「野郎、ふざけたことを
吐
(
ぬか
)
すな、このお
膝元
(
ひざもと
)
で、永らく公方様の御恩になっていながら、公方様の悪口を言うなんて飛んでもねえ野郎だ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
其時
(
そのとき
)
越前守は平石次右衞門吉田三五郎池田大助の三人を
膝元
(
ひざもと
)
へ進ませ申されけるは
其方共
(
そのはうども
)
家の爲め思ひ
呉
(
くれ
)
る
段
(
だん
)
忝
(
かたじ
)
けなく存るなり
依
(
よつ
)
て越前が
心底
(
しんてい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「けさ柳橋で顔を合せると——お
膝元
(
ひざもと
)
の殺しを知らずにいるようじゃ、銭形の親分も
焼
(
やき
)
が廻ったね——て言やがる」
銭形平次捕物控:125 青い帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
仔細
(
しさい
)
もなしに
喧嘩
(
けんか
)
を売る。おのれ等のような
無落戸漢
(
ならずもの
)
が八百八町にはびこればこそ、
公方
(
くぼう
)
様お
膝元
(
ひざもと
)
が騒がしいのだ」と、彼は向き直って相手の顔を
睨
(
にら
)
んだ。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そう
言
(
い
)
って
指導役
(
しどうやく
)
の
老人
(
ろうじん
)
はあたかも
孫
(
まご
)
にでも
対
(
たい
)
する
面持
(
おももち
)
で、
自分
(
じぶん
)
の
教
(
おし
)
え
子
(
ご
)
を
膝元
(
ひざもと
)
へ
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
これを
御成敗
(
ごせいばい
)
くださらないでは、手前ども力の弱い町人は、安心してお
膝元
(
ひざもと
)
に住んではおられません
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
要するに国許とは格別なもんじゃ、論より証拠、江戸は天下のお
膝元
(
ひざもと
)
じゃ、はっはっは
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
節子、冷然と坐ったままでいたのであるが、ふと、
膝元
(
ひざもと
)
の白い角封筒に眼をとめ、取りあげて立ち、縁側に出てはきものを捜し、野中のサンダルをつっかけ、無言で皆のあとを追う。
春の枯葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
お
膝元
(
ひざもと
)
を騒がしたら、戸田のお家はどうなると思う? 去年
内匠頭様
(
たくみのかみさま
)
刃傷
(
にんじょう
)
の際にも、大垣の
宗家
(
そうけ
)
を始め、わが君侯にも連座のお
咎
(
とが
)
めとして、
蟄居
(
ちっきょ
)
閉門
(
へいもん
)
をおおせつけられたではないか。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
父母の
膝元
(
ひざもと
)
を離れて他人の所に住み込んでいるのは
可哀
(
かわい
)
そうだけれども、奉公人たちはいつでも国へ帰りさえすれば、会うことの出来る親があるのに、自分にはそれがないのである。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
新任
(
しんにん
)
の
奉行
(
ぶぎやう
)
の
眼
(
め
)
が
光
(
ひか
)
るので、
膝元
(
ひざもと
)
では
綿服
(
めんぷく
)
しか
着
(
き
)
られない
不平
(
ふへい
)
を
紛
(
まぎ
)
らしに、こんなところへ、
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
に
茶宇
(
ちやう
)
の
袴
(
はかま
)
といふりゆうとした
姿
(
すがた
)
で
在所
(
ざいしよ
)
のものを
威
(
おど
)
かしに
來
(
き
)
たのだと
思
(
おも
)
はれたが
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
いらっしゃいいらっしゃいと雛妓を
膝元
(
ひざもと
)
へ呼んで、背を
撫
(
な
)
でてやりながら、その希望のためには絶対に気落ちをしないこと、自暴自棄を起さないこと、
諄々
(
じゅんじゅん
)
と言い聞かした末に言った。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そこでなるべく多数の武士を
膝元
(
ひざもと
)
に呼び寄せておくことになったのである。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「全く、これじゃ公方様のお
膝元
(
ひざもと
)
はひどい。」と幸兵衛は言った。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「今夜おれの座敷へ忍んで来て、俺の
膝元
(
ひざもと
)
へ金包を置くから、それを盗んでみろ、もし見つけたら俺がこの刀で叩き切っちまうがどうだ」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
笹野の旦那はこうおっしゃるのだよ——この夏あたりから
噂
(
うわさ
)
は聴いていたが、三日に一人、五日に二人罪のない人間がお
膝元
(
ひざもと
)
の江戸で、
人参
(
にんじん
)
牛蒡
(
ごぼう
)
のように斬られるのは捨ておき難い。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
半分
(
はんぶん
)
分て伯母御が一生の
養育料
(
やういくれう
)
にと分ち
與
(
あた
)
へければ其座の人々大いに
感心
(
かんしん
)
なし傳吉どのは五ヶ年の間天下の御
膝元
(
ひざもと
)
の江戸で
揉
(
もま
)
れた
故
(
ゆゑ
)
違
(
ちが
)
うた者なり是にて
相濟
(
あひすむ
)
上からは名主殿も御子息の勘當を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
交通不便な片田舎へ
遣
(
や
)
られでもすることか、東京のまん中の丸の内へ勤務することになって、
勿体
(
もったい
)
なくも天子様のお
膝元
(
ひざもと
)
へ移住すると云うのに、何が悲しいことがあろうと、自分でもそう思い
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「どうした八、お前の留守に、お
膝元
(
ひざもと
)
の佐久間町で、飛んだ騷ぎがおつ始まつたぞ」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜、人知れず、この地蔵様のお
膝元
(
ひざもと
)
を掘って、相当の金を埋めておく、その金が三日たってもとのままであった時は、その月のうちに願い通りの大金が
儲
(
もう
)
かる、なんぞと言い触らす者があった。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「でも、今晩お
膝元
(
ひざもと
)
の櫻の馬場で、寶掘りが始まるんですぜ」
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
徳川幕府の影が薄くなって、そのお
膝元
(
ひざもと
)
でさえこの始末。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「左様でございます、大神宮様のお
膝元
(
ひざもと
)
でございます」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
“膝”で始まる語句
膝
膝頭
膝行
膝下
膝行袴
膝栗毛
膝掛
膝小僧
膝許
膝節