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ふりがな文庫
“
脊負
(
しょ
)” の例文
田舎者「宿屋の番頭さんは物の間違にならん様にするが
当然
(
あたりまえ
)
で、
私
(
わし
)
が目で見て証拠が有るので、なに間違えば
好
(
え
)
え、
私
(
わし
)
が
脊負
(
しょ
)
って立つ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お島は夜を待つまもなく、小僧の順吉に
脊負
(
しょ
)
いださせた
蒲団
(
ふとん
)
に替えた、
少
(
すこし
)
ばかりの金のうちから、いくらか取出してそれを渡した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
間
(
あわい
)
のある
脊後
(
うしろ
)
に
脊負
(
しょ
)
って、立留って、
此方
(
こなた
)
を
覗
(
のぞ
)
き込むようにしたが、赤大名の
襤褸姿
(
ぼろすがた
)
、一足二足、そっちへ近づくと見るや否や、フイと消えた、垣越のその後姿。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然し文章について、大意見があるとは甚だ面白い。是非伺いたいと思います。「アン火」は感じがわるいですね。仏蘭西あたりのいか様ものを
脊負
(
しょ
)
い込んだのでしょう。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
それにもかかわらず、彼女は全く変化していた。どこから見ても田舎育ちの御婆さんであった。多少誇張していえば、
籠
(
かご
)
に入れた
麦焦
(
むぎこが
)
しを背中へ
脊負
(
しょ
)
って近在から出て来る御婆さんであった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
茂之助は少し用が有って町へ買物に出ますると、足利地方では立派な
家
(
うち
)
のお
内儀
(
かみ
)
さんが風呂敷包を
脊負
(
しょ
)
って買物に
往
(
ゆ
)
きます。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
積込んで、
小火
(
ぼや
)
のあった日から泊りがけに成田へ行っていた男だけれど、申訳を
脊負
(
しょ
)
って立って、床屋を退散に及ぶというなら、
可々
(
よしよし
)
心得た。御近所へ義理は済む。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小僧にも
脊負
(
しょ
)
わせ、自分にも脊負って、勘定を受取って来たところで、
漸
(
やっ
)
と大家や外の小口を三四軒片着けたり、職人の手間賃を内金に半分ほども渡したりすると、残りは何程もなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
新吉は怖い
一三眛
(
いっさんまい
)
、早く逃げようと包を
脊負
(
しょ
)
って、ひょっと人に見られてはならぬと
慄
(
ふる
)
える足を踏締めながらあせります。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どさくさ紛れに
葛籠
(
つづら
)
箪笥
(
たんす
)
を
脊負
(
しょ
)
い出そうッて働きのあるんじゃありませんがね、下がった
袷
(
あわせ
)
のじんじん
端折
(
ばしょり
)
で、
喞筒
(
ポンプ
)
の手につかまって、
空腹
(
すきはら
)
で
喘
(
あえ
)
ぎながら、
油揚
(
あぶらげ
)
のお煮染で
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
植源いこうか
茨
(
ばら
)
脊負
(
しょ
)
うか、という
語
(
ことば
)
と共に、
界隈
(
かいわい
)
では古くから名前の響いたその植源は、お島の
生家
(
さと
)
などとは違って、
可也
(
かなり
)
派手な暮しをしていたが、今は有名な
喧
(
やかま
)
し
屋
(
や
)
の女隠居も年取ったので
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
新「我慢してお出でよ、私が
負
(
おぶ
)
い
度
(
た
)
いが、包を
脊負
(
しょ
)
ってるから
負
(
おぶ
)
う事が出来ないが、私の肩へ
確
(
しっか
)
り
攫
(
つか
)
まってお出でな」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
浪「いつもの
婆
(
ばゞあ
)
がまいりました、あの大きな
籠
(
かご
)
を
脊負
(
しょ
)
ってお芋だの大根だの、
菜
(
な
)
や何かを売りに来る婆でございます」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうぞな
私
(
わし
)
が貴様の
家
(
うち
)
へ来て、飴屋と話をした事だけは
極
(
ごく
)
内々
(
ない/\
)
でいてくれ、
宜
(
よ
)
いか、屋敷の者に……
婆
(
ばゞあ
)
が又
籠
(
かご
)
を
脊負
(
しょ
)
って、大根や菜などを
売
(
うり
)
に来た時に
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あれを
引掛
(
ひっか
)
けて然うして
奴
(
やっこ
)
蛇の目の傘を持って、傘は紐を付けて
斜
(
はす
)
に
脊負
(
しょ
)
って行くようにしてくんな、ひょっと降ると困るから、なに頭巾をかぶれば寒くないよ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私はまア
斯様
(
こんな
)
にお前さんの介抱を受けようとは思いませんかったが、不思議な縁で連に成ったのも
矢張
(
やっぱり
)
笈摺を
脊負
(
しょ
)
ったお蔭、全く観音様の
御利益
(
ごりやく
)
だと思います
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と是から田舎
気質
(
かたぎ
)
の律義な婆アゆえ、若草の位牌を
脊負
(
しょ
)
って安兵衞の跡に
従
(
つ
)
いて堀切の別荘へ参りました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうして
汝
(
われ
)
え
種々
(
いろ/\
)
な物を盗み、脇差い差し、風呂敷
脊負
(
しょ
)
って脚半を掛け、草鞋穿きになって
此処
(
こけ
)
へ来て、田舎者の
仮声
(
こわいろ
)
を遣って取った所が
只
(
たっ
)
た八十両べえの金
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これから其の修行者に取押えを言い付けた所が、
其奴
(
そいつ
)
のいうには手前の
脊負
(
しょ
)
った
笈
(
おい
)
に目方が無くては成らぬから、鉄の棒を入れるだけの手当を呉れと云うから
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いや最前から
各々方
(
おの/\がた
)
のお話を聞いていると、
可笑
(
おか
)
しくてたまらんの、拙者も長旅で
表向
(
おもてむき
)
紫縮緬
(
むらさきちりめん
)
の
服紗包
(
ふくさづゝみ
)
を
斜
(
はす
)
に
脊負
(
しょ
)
い、
裁着
(
たッつけ
)
を
穿
(
は
)
いて頭を
結髪
(
むすびがみ
)
にして歩く身の上ではない
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嚇
(
おど
)
して抱いて寝る積りで、胡麻の灰の勇治がすらり抜くと山之助も
脊負
(
しょ
)
っている
苞
(
つと
)
から脇差を出そうかと思ったが、いや/\怪我でもしてはならぬ大事の身体と考え直して
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女「お婆さん其の包みを
脊負
(
しょ
)
っておいでよ…貴方方は
東京
(
とうけい
)
でいらっしゃいますか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
怖
(
おっか
)
ねえこんだと思って居ると、又一日
隔
(
た
)
って神田旅籠町から出た火事は、
前
(
ぜん
)
申上げました通り故、角右衞門も馬喰町を焼け出され、五八は大きな包を
脊負
(
しょ
)
ってせっ/\と逃げ出しましたが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こゝに
脊負
(
しょ
)
ってるこれを覚えて置け、刀屋になるのなら是を覚えて置かなければならんぜ、粟田口國綱という勝れた
逸物
(
わざもの
)
だ、刀屋にならば能く覚えて置け、五
郎
(
ろう
)
入道寳龍齋正宗
(
にゅうどうほうりゅうさいまさむね
)
、
伯耆
(
ほうき
)
の
安綱
(
やすつな
)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今田舎
気質
(
かたぎ
)
の婆さまが正直に若草の位牌を
脊負
(
しょ
)
って這入ってまいりました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
脊
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“脊負”で始まる語句
脊負葛籠
脊負揚
脊負上
脊負出
脊負子
脊負投
脊負込