肉附にくづき)” の例文
今のまゝの顔だちでよいから、表情と肉附にくづき生生いきいきとした活動の美を備へた女がえてしい。髪も黒く目も黒い日本式の女は巴里パリイにも沢山たくさんにある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
までたかくはないが、骨太ほねぶと肉附にくづきい、丸顏まるがほあたまおほきなひとまなじりながれ、はなたかくちしまり、柔和にうわなか威嚴ゐげんのある容貌かほつきで、生徒せいとしたしんでました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
おないろ薄掻卷うすかいまきけたのが、すんなりとした寢姿ねすがたの、すこ肉附にくづきくしてせるくらゐ。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
米友の身体からだ小兵こひょうな上に背が低いことは申すまでもありませんが、肉附にくづきだとて尋常なみの人よりは少しせているくらいですから、夜なんぞは誰でもみんな子供だと思っています。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そこには可愛かあいらしい肉附にくづきの、むつちりふとつたあかんぼ が母親はゝおやかれて、すやすやとねむつてゐました。そのつぺたにひつくと、あかんぼ はをさましてきだしました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
脳髄のよい者は体格も偉大にして肉附にくづきもよく大きいという関係があるかも知れぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
さくら色した肉附にくづき
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
夫人は四十五六であらうか、色の白い細面ほそおもての、目の大きくぱつちりとした、小皺こじはが寄りながらも肉附にくづきの豊かなほゝなどの様子は四十歳ばかりとしか見えない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其処そこぢやい! 其処そこどころぢやにつてわし後見かうけん助言じよごんて、すぐれた、まさつた、あたらしい、……いゝかの、生命いのちのある……肉附にくづきもふつくりと、脚腰あしこしもすんなりした、はだい、つきてばたまのやう
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
倫敦ロンドンへ来て気の附く事は、街の上でも公園でも肉附にくづき生生いき/\とした顔附かほつき供を沢山たくさんに見受ける事と、若い娘の多くが活発な姿勢で自由に外出して居る事とである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)