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竹竿
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たけざお
ふりがな文庫
“
竹竿
(
たけざお
)” の例文
モチの木の皮をはいで石でたたいて強いモチを作り、
竹竿
(
たけざお
)
のさきに指をなめては其をまきつける楽しさを今でも
稍
(
やや
)
感傷的に思出す。
蝉の美と造型
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
指さしたのは、お勝手寄りの壁に立てかけた
竹竿
(
たけざお
)
の切れっ端、六尺くらいもあるのに、一尺ほどの曲った横木を縛った十字形のものでした。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あっ。」とわか姉さんは
叫
(
さけ
)
びました。そして
竹竿
(
たけざお
)
をほうり出すと、両手をひろげて
新吉
(
しんきち
)
のからだを受け止めようとしました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
彼は安心したように、病院の横へ廻って、物干場に渡してある、すべての綱と
竹竿
(
たけざお
)
とを、こッそり裏の方へ運び出した。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だが旦那、ただの
竹竿
(
たけざお
)
が潮の中をころがって行くのとは違った調子があるので、釣竿のように思えるのですネ。」
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
細い長い
竹竿
(
たけざお
)
のさきに、
縫針
(
ぬいばり
)
や
釘
(
くぎ
)
などを附けたものさえ関東にはあった。それを垣根の
隙
(
すき
)
からそっとさし入れて、
縁端
(
えんばな
)
のお月見団子を取って行くのである。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
竹竿
(
たけざお
)
をもってそれをたたき落すのだが、妻がその音を聴きつけては、急いで出て来て、子供をしかり飛ばす。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
卵の積りで
陶物
(
やきもの
)
の模型卵を呑んで、苦しがって居るのだ。折から来合わして居たT君が、
尻尾
(
しっぽ
)
をつまんで鶏小屋から引ずり出すと、余が
竹竿
(
たけざお
)
でたゝき殺した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
船頭の
数
(
かず
)
は四人である。真っ先なるは、二間の
竹竿
(
たけざお
)
、
続
(
つ
)
づく二人は右側に
櫂
(
かい
)
、左に立つは同じく竿である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
地上では、一人の心利いた刑事が、どこからか太い
竹竿
(
たけざお
)
を探して来て、その先に手頃の石を括りつけた。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「おじさん、
梯子
(
はしご
)
か
竹竿
(
たけざお
)
をもっていって、一階の窓にとりつきガラス窓をこわしてはいってはどう」
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一人は、空に何か投げあげてコウモリをおびきよせる
係
(
かか
)
りで、他の一人がセミ取りの、袋のついた
竹竿
(
たけざお
)
を持っていて、地上に降りてきたコウモリに素早く袋をかぶせるのだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
まさかそれが
旦那
(
だんな
)
だとは夫人も言いかねて、貉か犬でもあろうから捧で突ッついて見よなぞと言い付けると、
早速
(
さっそく
)
下男が
竹竿
(
たけざお
)
を取り出して来て突こうとするから、たまらない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
岸の上なる水茶屋には赤き
塗盆
(
ぬりぼん
)
手にして
佇立
(
たたず
)
む
茶汲
(
ちゃくみ
)
の娘もろとも、
床几
(
しょうぎ
)
に
憩
(
いこ
)
ふ人々面白げに
大道
(
だいどう
)
芸人が子供集めて長き
竹竿
(
たけざお
)
の先に
盥
(
たらい
)
廻しゐるさまを打眺めたり。
中
(
ちゅう
)
の巻ここに尽く。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
手ぬぐい掛けの
竹竿
(
たけざお
)
にぬれた手ぬぐいが二筋だけかかっているのを見ると、寝入っている
二人
(
ふたり
)
の妹の事がひしひしと心に
逼
(
せま
)
るようだった。葉子の決心はしかしそのくらいの事では動かなかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
エッケベルク氏の語るところによれば、支那の農夫で都市に行く者は皆、われわれが
汚穢
(
おわい
)
と称するところのものを二つの
桶
(
おけ
)
にいっぱい入れ、それを
竹竿
(
たけざお
)
の両端に下げて持ち帰るということである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
山内家の紋を染めた幕を引き廻した中に、四本の
竹竿
(
たけざお
)
を
竪
(
た
)
てて、上に
苫
(
とま
)
が
葺
(
ふ
)
いてある。地面には
荒筵
(
あらむしろ
)
二枚の上に、新しい畳二枚を裏がえしに敷き、それを白木綿で
覆
(
おお
)
い、更に
毛氈
(
もうせん
)
一枚を
襲
(
かさ
)
ねてある。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
屋根へのぼってゆく者がある、床下を
竹竿
(
たけざお
)
でかき廻している者がある。そこへどこからか、小石が降ってきた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五百両持出させた晩、
竹竿
(
たけざお
)
で菊次郎を
撲
(
なぐ
)
り殺したが、五百両という小判を持ち運ぶ工夫はない、お銀は舟は漕げないから、川に沈めて竿を立てて
目印
(
めじるし
)
にして置いたのだ。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
流石
(
さすが
)
の科学探偵波多野警部もここでハタと行詰った体に見えた。彼は入念にも、部下の刑事に
竹竿
(
たけざお
)
を持って来させて、井戸の中をかき廻して見たが、無論何の手答えもなかった。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
新吉は、ファットマンの背中の上で、きえちゃんがいつもするようにもう一度
見物席
(
けんぶつせき
)
へあいさつをし、それから、わか姉さんの
肩
(
かた
)
の上に立っている
竹竿
(
たけざお
)
をするするとのぼって行きました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
見る見る
中
(
うち
)
満月が木立を離れるに従い
河岸
(
かわぎし
)
の夜露をあびた
瓦
(
かわら
)
屋根や、水に
湿
(
ぬ
)
れた
棒杭
(
ぼうぐい
)
、満潮に流れ寄る石垣下の
藻草
(
もぐさ
)
のちぎれ、船の横腹、
竹竿
(
たけざお
)
なぞが、
逸早
(
いちはや
)
く月の光を受けて
蒼
(
あお
)
く輝き出した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
でも妹たちの手ぬぐいが二筋ぬれて手ぬぐいかけの
竹竿
(
たけざお
)
にかかっていた
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
舞台の上方、
一文字幕
(
いちもんじまく
)
の
蔭
(
かげ
)
には、
蜘蛛手
(
くもで
)
になって、あらゆるからくり仕掛けが張りめぐらしてある。
浅黄幕
(
あさぎまく
)
の太い
竹竿
(
たけざお
)
、照明の電球を取りつけた
棚
(
たな
)
、本雨の水道管、紙の雪を降らせる
籠
(
かご
)
。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
両はしを
綱
(
つな
)
につるされた長い
竹竿
(
たけざお
)
はぶるぶるとこまかくふるえています。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
泥の中に突っ立った握り太の
竹竿
(
たけざお
)
が一本。
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
竹
常用漢字
小1
部首:⽵
6画
竿
漢検準1級
部首:⽵
9画
“竹”で始まる語句
竹
竹藪
竹刀
竹箒
竹生島
竹馬
竹籠
竹林
竹箆
竹田