きは)” の例文
深うして更に深く、遂に其底をきはむべからず。ホオマア、シエクスピイヤ、ギヨオテ、スコツト、エリオツト等は、家數の大小こそ相殊なれ、此派の詩人なり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
きはめ其夜兩國橋へ行きすでに身をなげんとたりしとき小提灯こちやうちんを持ちたる男馳寄かけよつてヤレまたれよと吉之助をいだとゞめるに否々いな/\是非死なねばならぬ事あり此所ここはなしてと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
双六すごろくたしかにあり。天工てんこう奇蹟きせきゆゑに、四五六しごろくまた双六谷すごろくだに其処そことなへ、温泉をんせんこえに、双六すごろくはするが、たにきはめて、盤石ばんじやくたものはむかしからだれい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
美妙氏の作に就きてにはあらねど、余はいさゝか、劇詩の前途の為にきはめたき事あり。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
たゞわれ/\日本人につぽんじんとしてはかような天災てんさいくつすることなく、むし人力じんりよくもつてその災禍さいかをないようにしたいものである。かくするには地震ぢしん火山かざん何物なにものであるかをきはめることが第一だいゝちである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
遠藤君大塚君等大に人夫等をさとせどもつひに長く决せず、吉田警察署長大喝たいかついかりて曰く、余等県知事のめいを奉じて水源探究たんきうに来れるなり、水流をさかのぼり水源をきはめざればすとも帰らず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
えうするに彼は、宇宙うちうの本體をさぐらうとしたり人生じんせいの意義をきはめやうとして、種々な思想を生噛なまがみにしてゐるうちに、何時かデカタン派の影響えいきやうけて、そして其の空氣が弱い併しながらねばツこい力で
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
また何故に愛せられたるかをきはめず、唯
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
私の情熱はあそこの底をきはめた
君の心をきはめんと
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
わたくしはその講ずる所の本草経のいかなる書なるかをきはめむと欲して、先づいにしへの本草経の復専本またせんぽんを存ぜざることを言つた。それは原文が後人補益の文と交錯して辨別し難きに至つたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)