破壞はくわい)” の例文
新字:破壊
と、その顏の表情は全く破壞はくわいされてゐた。瀕死ひんしの動物の顏を見るやうなグロテスクな蔭が全面に流れてゐた。——おきみは、氣が狂つたのである。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
私達はどんなにそのめにもだえたでせう!その頃の風潮ふうてうからは、たゞ破壞はくわいをのみ會得ゑとくして、建設けんせつについては一部いちぶ一厘いちりんだにもまなぶことが出來できなかつたのです。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
土偶どぐう頭部たうぶ或は手足部しゆそくぶ欠損けつそんせる事常なること、恐くは一種いつしゆ妄信もうしんの爲、故意に破壞はくわいせるに由るならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
地震ぢしん如何いかなる有樣ありさまおい家屋かをく震盪しんたうし、潰倒くわいたうするかを觀察くわんさつ破壞はくわいした家屋かおくについてその禍根くわこん闡明せんめゐするの科學的知識くわがくてきちしきがなければ、これにたいする防備的考察ばうびてきかうさつかばない。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
いまわたくし想像さうぞうするがごと秘密造船所ひみつざうせんじよまつた海水かいすいめに破壞はくわいされて、十二のたるその一個いつこでも流失りうしつしたものならば、吾等われら最早もはや本島ほんたうから一尺いつしやくそとこと出來できないのです、左樣さやう
日本にほん經濟界けいざいかいため破壞はくわいされてることは、ほとんるよりあきらかなことである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
れが段々だん/\いやでない誘惑いうわくつてあまあぢわづかかんずる程度ていどまでちかづいた刹那せつなさい破壞はくわいられたのである。おつぎは以前いぜんかへつて恐怖きようふふか沒却ぼつきやくせねばならなくつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
みづか爆發藥ばくはつやくもつ艇體ていたい破壞はくわいして、いさぎよく千尋ちひろ海底かいていしづまんとの覺悟かくご