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玄蕃
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げんば
ふりがな文庫
“
玄蕃
(
げんば
)” の例文
「あれはいまの
玄蕃
(
げんば
)
の姉に当っている、茂庭家の娘だ、おれは松山の
館
(
たて
)
で、まだ少女だったあれを見た、顔だちの美しい賢い娘だった」
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「私は
加世
(
かよ
)
と申します。肥前島原の
高力左近太夫
(
かうりきさこんだいふ
)
樣御家中、志賀
玄蕃
(
げんば
)
、同苗
内匠
(
たくみ
)
の母でございます。これは次男内匠の嫁、關と申します」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
剛槍
(
ごうそう
)
みずから誇る彼は、北ノ庄の
身内
(
みうち
)
に佐久間
玄蕃
(
げんば
)
ありと聞ゆる程なその男に、きょうこそ会ってみたいと、駈け廻るのだった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信長は大高城の前方左右に丸根、鷲津の二つの砦を構え、佐久間盛重と織田
玄蕃
(
げんば
)
にまもらせて、今川勢の進軍を待っていた。
織田信長
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
狂言は、
芹生
(
せりふ
)
の里寺子屋の段、源蔵、戸浪、菅秀才、村の子供たち、その親多勢、
玄蕃
(
げんば
)
、松王——多くの、いずれも精巧を極めた人形である。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
同じく其弟の源六は
佐々
(
さっさ
)
成政の養子で、二人
何
(
いづ
)
れも秀吉を
撃取
(
うちとり
)
にかかった猛将佐久間
玄蕃
(
げんば
)
の弟であったから、重々秀吉の
悪
(
にく
)
しみは掛っていたのだ。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
企てられた事件であって、
小幡
(
おばた
)
の城主織田
信邦
(
のぶくに
)
の家老の、吉田
玄蕃
(
げんば
)
をはじめとして、数百人の門弟があずかった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この時二の手で目付役の軍監を兼ねていた佐久間大学(
賤
(
しず
)
ヶ
嶽
(
たけ
)
の佐久間
玄蕃
(
げんば
)
の後裔)
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
往昔、朝廷では
玄蕃
(
げんば
)
の官を置き、
鴻臚館
(
こうろかん
)
を建てて、遠い人を迎えたためしもある。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
小栗上野
(
おぐりこうずけ
)
がある、
勝安房
(
かつあわ
)
がある、永井
玄蕃
(
げんば
)
も、水野
痴雲
(
ちうん
)
も、
向山黄村
(
むこうやまこうそん
)
、
川路聖謨
(
かわじせいぼ
)
、その他誰々、当時天下の人物としても恥かしい人物ではないが……なにぶん
大廈
(
たいか
)
の
覆
(
くつが
)
える時じゃ、
徒
(
いたず
)
らに近藤勇
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
松王
(
まつおう
)
と行逢ひ、附け廻りにて下手にかはる、松王が「
蟻
(
あり
)
のはひ
出
(
ず
)
る」といふ処「相がうがかはる」などと
云
(
いう
)
処にて思入し、「身替の
偽
(
にせ
)
首」にて腹に応へし模様見え「
玄蕃
(
げんば
)
が権柄」にてはつと刀をさし
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
「うそだと思うなら、侍大将の
玄蕃
(
げんば
)
様の家へ行ってきいてみろ、伝四郎はいま敵軍のなかで働いているんだ、裏切者なんだ!」
伝四郎兄妹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「いえ、母上様の思召しでございました。兄上
玄蕃
(
げんば
)
様御手討になった上は、
退
(
しりぞ
)
いて志賀家の跡を断やさないのが祖先への孝行と申しまして」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、供も厳しく、四家老もみな
扈従
(
こじゅう
)
してゆくことになった。岡田長門守、浅井田宮丸、津川
玄蕃
(
げんば
)
、滝川三郎兵衛の四名である。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
用人
(
ようにん
)
の
源伍兵衛
(
げんごべえ
)
老人である。さては、自分の気の迷いで、廊下には何人も立ってなんぞいなかったのだと思うと、
玄蕃
(
げんば
)
、一時に
胆力
(
たんりょく
)
を
恢復
(
かいふく
)
して
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
世々
従
(
じゅ
)
四位下
侍従
(
じじゅう
)
にも進み、
網代
(
あじろ
)
の
輿
(
こし
)
に
爪折
(
つまお
)
り傘を許され、
由緒
(
ゆいしょ
)
の深いりっぱなお身分、そのお方のご家老として、世にときめいた吉田
玄蕃
(
げんば
)
様の一族の長者として
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
玄蕃
(
げんば
)
の水汲み読書が足らない
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「聞けっ、
玄蕃
(
げんば
)
」語気に
癇癖
(
かんぺき
)
がほとばしっている。こういう癇癖は、戦いがあれば戦場で散じてしまうだろうが、もう世の中は泰平だった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲斐の二度めの妻は、津田
玄蕃
(
げんば
)
の妹で、名を
伊久
(
いく
)
といい、今年二十九歳になる。結婚するとすぐに、甲斐は江戸へ去り、伊久はあとに残った。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
馬を停めた井上
玄蕃
(
げんば
)
は、
藪
(
やぶ
)
の中から出た、
釘拔
(
くぎぬぎ
)
のやうな手に足を掴まれて、あつと言ふ間もなく引落されました。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
六尺棒をトンと土について、こう言ったのは、この関所をあずかる柳生の役人の一人、津田
玄蕃
(
げんば
)
というお
徒士
(
かち
)
。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
玄蕃
(
げんば
)
様の一族なのでございます」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして頼朝はこういったのだぞ——(もしもこの身が天下を取ったあかつきには日本半国は二つにして、兄弟の者に取らせる)と……。
玄蕃
(
げんば
)
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、多勢に無勢、暫らくの後、井上
玄蕃
(
げんば
)
は生捕られ、二人の青侍も
薄傷
(
うすで
)
を負つた樣子、手馴れた錢を投げられないので、平次の武力も思ふに任せません。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして、宿老らの次に評定役の津田
玄蕃
(
げんば
)
、そのうしろに書役が三人、机を並べて、評議のしだいを記録していた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「きのうの訴人——佐々木道誉の家来民谷
玄蕃
(
げんば
)
という男が、いつのまにか下屋から姿を消し、どこにも見えぬと、立ち騒いでいたものにございまする」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
津田
玄蕃
(
げんば
)
に伊久と申して、二十八歳になる妹がおります。それを欲しいと、人をもって申しいれたと聞きました。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
君御馬前に討死するとか、武士の意気地で死ぬことなら、私は嘆きも
怨
(
うら
)
みもいたしません。兄
玄蕃
(
げんば
)
を
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
船岡からは、家老の片倉
隼人
(
はやと
)
と、少年の辻村又之助が来ており、帰国祝いの招宴には、津田
玄蕃
(
げんば
)
が周旋をした。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
浅井七郎右衛門、同
玄蕃
(
げんば
)
という者に、三田村右衛門大夫の兵が合体して、およそ八百人ばかりが、横山城の
城戸
(
きど
)
へ
枯柴
(
かれしば
)
の山をつんで、焼き立てているところという。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君御馬前に討死するとか、武士の意氣地で死ぬことなら、私は歎きも怨みもいたしません。兄
玄蕃
(
げんば
)
を
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かつて、
賤
(
しず
)
ヶ
嶽
(
たけ
)
のたたかいにも、柴田勝家の
甥
(
おい
)
の
玄蕃
(
げんば
)
が、この手をやって、大敗北をまねいた先例もあったが——勝入はなんとしても、これを、秀吉に
説
(
と
)
こうとした。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
間もなくやつて來たのは井上
玄蕃
(
げんば
)
と、御用金六千兩を積んだ馬と、馬子と、青侍が二人、——凾嶺の關所さへ越せば、あとは
駿府
(
すんぷ
)
から數十人の警護の者が來てゐると聞いて
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十二月十五日に、柴田
外記
(
げき
)
、片倉小十郎、津田
玄蕃
(
げんば
)
らが登城、それぞれ太刀、銀馬代、
時服
(
じふく
)
を献上し、白書院にて将軍に謁した。甲斐はこの記事を消し、次つぎと三項目を消した。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
けれどなお、その気に入りの勝敏にも増してもっと
偏愛
(
へんあい
)
していたのは、
甥
(
おい
)
の
玄蕃
(
げんば
)
盛政だった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
島田雲州どのお一人であったが、新たに大井新右衛門どのを加えられる、とのお沙汰がありましたそうで、津田
玄蕃
(
げんば
)
がただちに大井どのへ挨拶にまいった、とのおもむきにございます。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「いえいえ三代相恩でも、兄
玄蕃
(
げんば
)
が手討になり、嫁の関まで殺されました」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「——大野木土佐、浅井
玄蕃
(
げんば
)
、三田村右衛門など、三人もそろって、お味方を裏切るとは」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生家の井沼は代々の物がしら格上席で、父の
玄蕃
(
げんば
)
は御槍奉行を勤めていた。
柘榴
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
同じ背負い込むなら——町人の娘の淋しい多与里より若くて明るくて、愛嬌があって、その上石川日向守一門の末に連なる石川
玄蕃
(
げんば
)
の娘、小浪を貰った方が、どんなに良いかわからないのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:02 左京の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
聞け、善性坊、汝をはじめ、同腹の浅井七郎右衛門、同じく
玄蕃
(
げんば
)
、三田村右衛門大夫などの徒は、決して、主君浅井長政の命によって、わしの留守城を襲撃したわけではあるまいが
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
離別して、こんど津田
玄蕃
(
げんば
)
という人の妹をおもらいなすったんですって
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「こりゃ千浪——」と一人樹の根に掛けて離れていた大月
玄蕃
(
げんば
)
は、冷然と
一睨
(
いちげい
)
して
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「佐沼(津田
玄蕃
(
げんば
)
)どののほうはどうなさるか」
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼の体躯は老骨の作左衛門を眼下に見るほどの大男である上、
臂力
(
ひりき
)
は山陰に並びなき、十二人力と称せられ、しかも宝蔵院の槍術、一刀流の剣道は達人と称せられた大月
玄蕃
(
げんば
)
である。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よう来たな、
玄蕃
(
げんば
)
腰が伸びるか」
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
玄蕃
(
げんば
)
は怒りにもえ、
金剛力士
(
こんごうりきし
)
のごとく、
太刀
(
たち
)
をふりかぶって、槍の真正面に立った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父親の小出
玄蕃
(
げんば
)
は云う。
末っ子
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
玄蕃
(
げんば
)
が立ちかけると、玄蕃と並んでいた
毛受勝助家照
(
めんじゅしょうすけいえてる
)
が、その足もとを
遮
(
さえぎ
)
るように
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄蕃
(
げんば
)
が
土足
(
どそく
)
をあげて
蹴
(
け
)
ったので、
鎧
(
よろい
)
はガラガラとくずれて土まみれになった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“玄蕃(玄蕃寮)”の解説
玄蕃寮(げんばりょう)は、日本の律令制において治部省に属する機関である。和名は「ほうしまらひとのつかさ」、唐名は崇玄署、典客署、鴻臚寺。
「玄」は僧侶(ほうし)、「蕃」は外国人・賓客(まらひと)のこと。
(出典:Wikipedia)
玄
常用漢字
中学
部首:⽞
5画
蕃
漢検準1級
部首:⾋
15画
“玄蕃”で始まる語句
玄蕃允
玄蕃頭
玄蕃允盛政
玄蕃石
玄蕃盛政
玄蕃守
玄蕃頭殿