猟犬りょうけん)” の例文
旧字:獵犬
そしてそれが水上すいじょうわたってむこうへえたとおもうと、幾匹いくひきかの猟犬りょうけん水草みずくさの中にんでて、くさすすんできました。
二人はジャングルの中に猛獣のにおいを追う精悍せいかん猟犬りょうけんであった。どんな些細ささいな一物も彼らの眼をのがれることはできなかった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ただそのこしに大きい傷痕きずあとが見られたのは、前日タンナリーがロボがりにきたとき、その猟犬りょうけんがかみついたあとと知られた。
サービスは身をおどらして、穴のなかへとびこんだ、穴のなかでは猟犬りょうけんフハンと、だちょうが必死ひっしになって戦っていた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
けれど、どこにもすばしこい猟犬りょうけんごえをきくし、狡猾こうかつ人間にんげんじゅうをかついだ姿すがた見受みうけるし、安心あんしんして、みんなのやすむところがなかったのです。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
町の門のまえまできますと、犬がひとかたまりになってかけてきました。みれば、大きな猟犬りょうけん先頭せんとうにたっています。
そう思うと共に陳彩ちんさいは、獲物を見つけた猟犬りょうけんのように、油断なくあたりへ気を配りながら、そっとその裏門の前へ歩み寄った。が、裏門の戸はしまっている。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひとたび獲物えものにおいをかいだら、猟犬りょうけんのように、どこまでも追いかけ、追いつめることなどであった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
毛の長い、あの猟犬りょうけんのセーサルが、いまじぶんをかぎまわっているのです。
「なるほどあなたの鼻はよくきますね。猟犬りょうけんよりたしかですよ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小次郎は、猟犬りょうけんの飛びかかっている窓とはべつな入口へ立った。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弱い彼にも猟犬りょうけんすなわち武士の血が流れて居たのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
相当経験があるらしく、小銃しょうじゅう短銃ピストルも高価なものをもち、乗馬と二十頭の猟犬りょうけんを連れていた。それで『明日あしたにもロボの首を取ってきてとこの間のかざりり物にする』
しばらくいきますと、一ぴきの猟犬りょうけんが道にねころがって、口をあけて、ハア、ハア、やっていました。
ものすごい咆哮ほうこうは、かなたの森のやみの底からひろがってくる、猟犬りょうけんフハンはむっくとおきて憤怒ふんぬのきばをならし、とびさろうとするのをゴルドンはやっとおさえつけた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それで次回から、せいぜい気をつけることにして、金博士の身辺しんぺん猟犬りょうけんの如く、或いはダニの如く、或いは空気の如くからみついて、何を博士が実行に移しているかを調べたのであった。
あきのこと、このむら洋服ようふくて、じゅうかたにしたおとこが、猟犬りょうけんをつれてとおりました。ごろおそろしいものらずの金持かねもちのとりは、いぬかって不意ふいびつきましたので、いぬおこりました。
金持ちと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
翌日よくじつからわたしは地形を見にまわった。なるほどカランポーの谷は、土地の高低があって、川の流れも多く、とても馬や猟犬りょうけんでおおかみを追いまわせそうもないところだ。
王さまは一ぴきの猟犬りょうけんをつれていましたが、その犬が女の子ののぼっている木のところへ走ってきて、そのまわりをとびはねては、しきりに木の上にむかってほえたてました。
まっさきにのぼってきたのは猟犬りょうけんフハンである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
人間にんげん猟犬りょうけんかげなどをなかったのだ。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
猟犬りょうけんらしいが、いいいぬですね。」
どこかで呼ぶような (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そのいぬは、猟犬りょうけんですね。」
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)