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状
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じょう
ふりがな文庫
“
状
(
じょう
)” の例文
凡そ文芸の歴史は必ず各時代の傑出せる一家を中心としてあたかも波浪の起伏するが如き
状
(
じょう
)
をなし、漸次に時代の推移を示すものなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それをおとよはどうしても、ようございますといわないから、父の
言
(
い
)
い
状
(
じょう
)
が少しも立たない。それが無念で
堪
(
たま
)
らぬのだ。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
加賀見忍剣
(
かがみにんけん
)
どのへ知らせん この
状
(
じょう
)
を手にされし日 ただちに
錫杖
(
しゃくじょう
)
を富士の
西裾野
(
にしすその
)
へむけよ たずねたもう
御方
(
おんかた
)
あらん
同志
(
どうし
)
の人々にも会い
給
(
たま
)
わん
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
溥洽
(
ふこう
)
は建文帝の
主録僧
(
しゅろくそう
)
なり。初め帝の
南京
(
なんきん
)
に入るや、建文帝僧となりて
遁
(
のが
)
れ去り、溥洽
状
(
じょう
)
を知ると言うものあり、
或
(
あるい
)
は溥洽の所に
匿
(
かく
)
すと
云
(
い
)
うあり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
時雄はその姿と相対して、一種
状
(
じょう
)
すべからざる満足を胸に感じ、今までの
煩悶
(
はんもん
)
と苦痛とを半ば忘れて了った。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
竹間
(
ちくかん
)
の
梅棕
(
ばいそう
)
森然
(
しんぜん
)
として
鬼魅
(
きび
)
の
離立笑髩
(
りりつしょうひん
)
の
状
(
じょう
)
のごとし。二三子
相顧
(
あいかえり
)
み、
魄
(
はく
)
動いて
寝
(
いぬ
)
るを得ず。
遅明
(
ちめい
)
皆去る
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「上松の在と黒川、宮之越、この三カ所の牧場に
状
(
じょう
)
がつけてある、
精
(
くわ
)
しくは是れに書いて来たから」
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お浜はそっとその一つを手に取って見ると、それは宇津木兵馬からの
果
(
はた
)
し
状
(
じょう
)
でありました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かの狗子白毛にて
黒斑
(
こくはん
)
、
惶々乎
(
こうこうこ
)
とし屋壁に
踞跼
(
きょきょく
)
し、四肢を側立て、眼を我に挙げ、耳と尾とを動かして訴えてやまず。その
哀々
(
あいあい
)
の
状
(
じょう
)
諦観視するに堪えず。彼はたして
那辺
(
なへん
)
より来れる。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
海保漁村の墓誌はその文が頗る長かったのを、
豊碑
(
ほうひ
)
を築き起して世に
傲
(
おご
)
るが如き
状
(
じょう
)
をなすは、主家に対して
憚
(
はばかり
)
があるといって、
文字
(
もんじ
)
を
識
(
し
)
る四、五人の故旧が来て、
胥議
(
あいぎ
)
して
斧鉞
(
ふえつ
)
を加えた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
されど或時は全くその反対に、人物奮闘の
状
(
じょう
)
を描ける図に至つては色彩をしてこれと一致せしめんがため
殊更
(
ことさら
)
多数の色を設けて衝突混乱せしむ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
兼吉は、
腕力
(
わんりょく
)
では花前によりつけないから、五郎に
加勢
(
かせい
)
を
頼
(
たの
)
んだのだ。
事実
(
じじつ
)
は兼吉が牛をたたいたのかもしれないが、ふたりのいい
状
(
じょう
)
はそうであった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
源
(
みなもと
)
ノ
渡
(
わたる
)
は、院の武者所のうちでも、同年輩のごく親しい友、十名ほどに、
状
(
じょう
)
をまわして
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寛保
(
かんぽう
)
延享
(
えんきょう
)
の頃の
漆絵
(
うるしえ
)
紅絵
(
べにえ
)
には早くも西洋風の遠近法を用ひて
巧
(
たくみ
)
に
遠見
(
とおみ
)
の景色と人物群集の
状
(
じょう
)
とを描き
出
(
いだ
)
せり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
触
(
ふ
)
れ
状
(
じょう
)
では、久しく見えなんだ
俊基朝臣
(
としもとあそん
)
も、今日はお顔を出されるとか」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しさいに
頼
(
たの
)
み
状
(
じょう
)
を書いておきますでの……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
詫
(
わ
)
び
状
(
じょう
)
書けっ。なにっ、なにを笑う」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
状
常用漢字
小5
部首:⽝
7画
“状”を含む語句
状態
形状
行状
白状
書状
状況
現状
兇状持
異状
紹介状
生活状態
連判状
景状
名状
惨状
身状
遺言状
召状
心状
状箱
...