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漫
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みだ
ふりがな文庫
“
漫
(
みだ
)” の例文
果して
然
(
しか
)
らば国民が
漫
(
みだ
)
りに候補者の口車に乗り、地方的事業の画策起工を望むが如きは、財政上の一大矛盾と言わねばならぬ。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
この観念の
涵養
(
かんよう
)
は
漫
(
みだ
)
りにくりかえすことによりて目的を果たし得るものでない。これを乱用すればかえって正反対の結果を来たすを恐れる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これは筆を執る人の間で唱えたのであるが、世間のものもそれに応じて、
漫
(
みだ
)
りに予を諸才子の中に算えるようになって居た。
鴎外漁史とは誰ぞ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
聲音
(
こわね
)
は
尋常
(
よのつね
)
ならず、譬へば泉下の人の假に形を現して物言ふが如くなりき。我即興詩は
漫
(
みだ
)
りに混沌の
竅
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
ちて、少女に宇宙の美を教へき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
が、当時の当路者達は、イエスを
以
(
もっ
)
て、
漫
(
みだ
)
りに新信仰を鼓吹して旧信教を覆すものとなし、
之
(
これ
)
を磔刑に処したのである!
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
▼ もっと見る
思うに現今のネパール国王は思慮に深い人でありますから、
漫
(
みだ
)
りに実益のない戦いを起さぬであろうと私は察するです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
凡
(
およ
)
そ其半なるを
確
(
たしか
)
めたり、利根山奥は
嶮岨
(
けんそ
)
人
(
ひと
)
の入る能はざりし
為
(
た
)
め、
漫
(
みだ
)
りに其大を
想像
(
さう/″\
)
せしも、一行の探検に拠れば
存外
(
ぞんぐわい
)
にも其
狭
(
せま
)
きを
知
(
し
)
りたればなり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
また
姦
(
かしま
)
しく
多言
(
たげん
)
するなかれ、
漫
(
みだ
)
りに外出するなかれというも、男女共にその程度を過ぐるは
誉
(
ほ
)
むべきことにあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
咄々
(
とつとつ
)
、酔漢
漫
(
みだ
)
りに
胡乱
(
うろん
)
の言辞を弄して、
蹣跚
(
まんさん
)
として墓に向う。油尽きて
灯
(
とう
)
自
(
おのずか
)
ら滅す。業尽きて何物をか
遺
(
のこ
)
す。苦沙弥先生よろしく御茶でも上がれ。……
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
我々は偶然の出来事を
漫
(
みだ
)
りに行為の原因だとすることがある。若しそんな風な物の考方を僕がするなら、僕は或る女のために死ぬるのだと云ふことが出来るだらう。
不可説
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
君主は
漫
(
みだ
)
りに人民の利福を無視すべきものではないという原則を立つるに何ら差支えはない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
然れども余はさほどに自由を欲せざるになほ革命を
称
(
とな
)
へ、さほどに幽玄の空想なきに
頻
(
しきり
)
に泰西の音楽を説き、さほどに知識の要求を感ぜざるに
漫
(
みだ
)
りに西洋哲学の新論を主張し
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
たとひ美を論じ高を説くも其人にして美を愛し、高を愛するに非んば何ぞ一顧を価せんや。自ら得る所なくして
漫
(
みだ
)
りに人の言を借る、彼れの議論
奚
(
いづくん
)
ぞ光焔あり精采あるを得んや。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
モウこの頃はお極りの挨拶などは無造作に出来なかった、お話の相手にゆくのであるけれど、先生の様子を見てからでなければ、
漫
(
みだ
)
りに挨拶することははなはだ危険を感じたのである
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
漫
(
みだ
)
りに批評に長ぜりと稱せられたるは、また我詩稿を
刪潤
(
さんじゆん
)
せんと欲し、我に一枚づゝ寫して呈せんことを求めたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
旧を
棄
(
す
)
てて
漫
(
みだ
)
りに新を追う弊とか、偶然に出て来た人間の作のために何主義と云う名を冠して、作そのものを是非この主義を代表するように取り扱った結果
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これでF君が
漫
(
みだ
)
りに大言
荘語
(
そうご
)
したのでないと云う事だけはわかった。しかしそれ以外の事は、私のためには総て疑問である。私はこの疑問を徐々に解決しようと思った。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
愈
(
いよ/\
)
利根の
水源
(
すゐげん
)
に
沿
(
そ
)
ふて
遡
(
さかのぼ
)
る、
顧
(
かへりみ
)
れば両岸は
懸崖絶壁
(
けんがいぜつぺき
)
、加ふるに
樹木
(
じゆもく
)
鬱蒼
(
うつさう
)
たり、たとひ
辛
(
から
)
ふじて之を
過
(
す
)
ぐるを得るも
漫
(
みだ
)
りに時日を
費
(
ついや
)
すの
恐
(
おそれ
)
あり、故にたとひ
寒冷
(
かんれい
)
足
(
あし
)
を
凍
(
こふ
)
らすとも
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
然
(
しか
)
るにその各民族の自由意思を尊重せずして
漫
(
みだ
)
りに外圧的に統治し、遮二無二その節度に服せしめんとするは、人間に固有する権利を無視し、天理に背くゆえんのものだから
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
其極めて多言なる者は必ず家族親類風波の基なれば
速
(
すみやか
)
に追出す可し、
都
(
すべ
)
て卑しき者を使うには我意に叶わぬことも少なからず、
漫
(
みだ
)
りに立腹することなく能く言教えて使う可し
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
特権階級が法律上与えられたる特権を、適当に利用するに止まるならば、大した弊害もないといえるけれども、彼らはとかくこの特権を楯として、
漫
(
みだ
)
りに民権の発達に反抗する。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
もし
然
(
しか
)
らずして国家の政策上より
漫
(
みだ
)
りに関税を外国品に課し、自国品を保護してこれを以て貿易を妨ぐるに至っては、人類の生存上に大切なる物資の有無相通の道を阻害する事甚しく
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
一行書くすら容易ではない。あれ
丈
(
だけ
)
文字を連らねるのは
超凡
(
てうぼん
)
の努力を要する
訳
(
わけ
)
である。従つて書かなくては済まない、
遺
(
のこ
)
さなくては悪いと思ふ事以外には一画と
雖
(
いへど
)
も
漫
(
みだ
)
りに手を動かす余地がない。
艇長の遺書と中佐の詩
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
なぜその閲歴を為す勇気があって、それを書く勇気がないか。それとも勇気があって
敢
(
あえ
)
て為したのではなくて、人に余儀なくせられて
漫
(
みだ
)
りに為したのであるか。漫りに為して恥じないのであるか。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
漫
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“漫”を含む語句
浪漫的
漫歩
浪漫
漫然
緩漫
浪漫主義
漫画
浪漫派
天真爛漫
漫々
冗漫
彌漫
淼漫
妄漫
漫火
放漫
漫語
浪漫趣味
漫遊中
瀰漫
...