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滅茶苦茶
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めちゃくちゃ
ふりがな文庫
“
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)” の例文
楽隊は
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
のジャズ音楽を吹き、叩いていた。酔っぱらいの来客達は、或は歌い、或は歓声を上げて、場内を飛び廻っていた。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
静子に久し振に
逢
(
あ
)
えると
云
(
い
)
ったような楽しい平和な期待は、偶然な
血腥
(
ちなまぐさ
)
い出来事のために、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
になってしまったのである。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
或日家主から植木屋を
寄越
(
よこ
)
して庭の植木の手入をすると言って、その柳を何の容赦もなく
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に
枝下
(
えだおろ
)
しをしてしまったというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
あの永い苦悩の、総決算がこの小さい、寒そうな姿一つだ。すれちがう人、ひとりとして僕の二箇年の、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
の努力には気がつくまい。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
とにかく
博士
(
せんせい
)
と来たら、
興
(
きょう
)
が乗れば、敵と味方との区別なんかもう
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
で、科学の力を
残酷
(
ざんこく
)
に発揮せられますからなあ。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
……この
後
(
あと
)
、こんな日がもう一箇月も続こうものなら、頭は
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
になって何もできなくなる、できなくなればますます生活が苦しくなる。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もともと
地唄
(
じうた
)
の文句には
辻褄
(
つじつま
)
の合わぬところや、語法の
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
なところが多くて、
殊更
(
ことさら
)
意味を
晦渋
(
かいじゅう
)
にしたのかと思われるものがたくさんある。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
淫猥
(
いんわい
)
で
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に勘定が高く、白痴のヤミ屋がゆくものと決めていた社交喫茶というものにも、桂子が勤めているときき、二、三度場所をかえ、顔を出してみた。
野狐
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
銃眼
(
じゅうがん
)
のある角を出ると
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に書き
綴
(
つづ
)
られた、模様だか文字だか分らない中に、正しき
画
(
かく
)
で、
小
(
ちいさ
)
く「ジェーン」と書いてある。余は覚えずその前に立留まった。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
槍傷、太刀傷、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
だ。だが痛くはない、なんともない。ボーッ……と心が遠くなるばかりだ。そうして足がヒョロヒョロする。胸が苦しい、
呼吸
(
いき
)
が苦しい。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
当時漱石は、世間全体が癪にさわってたまらず、そのためにからだを
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に破壊してしまった、とみずから言っている。猛烈に癇癪を起こしていたことは事実である。
漱石の人物
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
その手を
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に引っ掻いてやった。が、黒い服の仲間はどうしても彼女を放さなかった。そればかりでなく、黒い服の仲間は彼女から赤ん坊まで奪った。完全に奪っていった。
猟奇の街
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
何処の領主でも兵卒を多く得たいものは
然様
(
そう
)
いうことを敢てするを忌まなかったから、共婚主義などは随分古臭いことである。
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
なことの好きなものには実に好い世であった。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一切
(
いっさい
)
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
、暗殺は
殆
(
ほと
)
んど毎日の
如
(
ごと
)
く、実に恐ろしい世の中になって
仕舞
(
しまっ
)
た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
随分
(
ずいぶん
)
スピードのある車だったが、方向転換その他に手間どった。その上、相手の車が、なりは小さいけれど、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
な速力だ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
二人の間には、絵具のチューブが、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に散っていた。父の足下には、三十号の
画布
(
カンバス
)
が、枠に入ったまゝ、ナイフで横に切られていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
僕は
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に畑の仕事に精出した。暑い
日射
(
ひざ
)
しの下で、うんうん
唸
(
うな
)
りながら重い
鍬
(
くわ
)
を振り廻して畑の土を掘りかえし、そうして
甘藷
(
かんしょ
)
の蔓を植えつけるのである。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
といって
徒
(
いたず
)
らに吹き飛ばすわけでは無かった。当人は事実をいっているので、事実えらいと思っていたのだ。教員などは
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
であった。同級生なども滅茶苦茶であった。
正岡子規
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
身代
(
しんだい
)
の
釣合
(
つりあい
)
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にする男も世に多いわ、おまえの、イヤ、あなたの
迷
(
まよい
)
も
矢張
(
やっぱり
)
人情、そこであなたの
合点
(
がてん
)
の
行様
(
ゆくよう
)
、年の功という
眼鏡
(
めがね
)
をかけてよく/\
曲者
(
くせもの
)
の恋の正体を見届た所を話しまして
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いや、優級品のもくねじだから安心していたんだ。ところがこんな出来損いのが交っていやがる。見掛けは綺麗なんだけれど、
螺旋
(
らせん
)
の切込み方が
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
だ。どうしてこんなものが出来たのかなあ」
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
闇
(
やみ
)
の中を、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に走った。闇の中を、
礫
(
つぶて
)
のように走った。滅茶苦茶に、走りでもする外、彼の
嵐
(
あらし
)
のような心を抑える方法は何もなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
柾木は、胸の中で小さな動物が、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にあばれ廻っている様に感じた。一里も走りつづけた程
喉
(
のど
)
が乾いて、舌が木の様にこわばってしまった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
下男のひとりに
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にピアノのキイをたたかせ、(田舎ではありましたが、その家には、たいていのものが、そろっていました)自分はその
出鱈目
(
でたらめ
)
の曲に合せて
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それらの血の流れの方向が全く
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
であって、例えば右肩の傷口からのものは、左肩に向って
横流
(
おうりゅう
)
し、左腕の傷口からのものは手首に向って下流し
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あきらめようと思い、胸の火をほかへ向けようとして、手当り次第、さすがのあの洋画家も
或
(
あ
)
る夜しかめつらをしたくらいひどく、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にいろんな女と遊び狂いました。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼の隣に席をしめた、若い太鼓叩きが、ニヤニヤしながら彼の顔を見た程も、彼は、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にラッパを吹いて見た。「どうにでもなれ」というやけくそな気持ちだった。
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あんないい人が、こんな
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
な手紙を書くのだから、実際、この世の中には不思議な事があるものだ。マア坊が「意味教えて」と言うのも無理がない。こんな手紙をもらった人は災難だ。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
二郎は一目その顔を見ると、まるでお化けにでも出会った様に、「ワッ」と、
途方
(
とほう
)
もない叫声を立てたかと思うと、いきなりクルッと向きを変えて、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に駈け出した。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と君が
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に投げ入れて行ったあの菊の花をほめたのだ。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
祖先伝来の
丹塗
(
にぬ
)
りの
長持
(
ながもち
)
や、
紋章
(
もんしょう
)
の様な
錠前
(
じょうまえ
)
のついたいかめしい
箪笥
(
たんす
)
や、虫の食った
鎧櫃
(
よろいびつ
)
や、不用の書物をつめた本箱や、その
他
(
ほか
)
様々のがらくた道具を、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に置き並べ積重ねた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と言いながら、
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にこぶしで眼をこすった。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「どうもよくない様です。熱が高くって、今朝から看護婦が二人来る様になったのですが、何だかどうも、
内
(
うち
)
の中が
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
ですよ。そこへ、小間使の小松が、昨夜医者へ行くといって出た切り帰らないのです」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
に取散らされているのを発見したことである。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
“滅茶”で始まる語句
滅茶滅茶
滅茶
滅茶々々