消滅せうめつ)” の例文
みつつにつてたおしな卯平うへいしたうて確乎しつかうちめたのはそれからもないことである。へびはなし何時いつにか消滅せうめつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
疼痛とうつうとは疼痛とうつうきた思想しさうである、思想しさうへんぜしむるがためには意旨いしちからふるひ、しかしてこれてゝもつて、うつたふることめよ、しからば疼痛とうつう消滅せうめつすべし。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
終に最後の七億になつて消滅せうめつしてしまつたといふことを、復興局長官の堀切善次郎氏によつて語られた。
むぐらの吐息 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
右にいふ兄弟の父岩城判官いはきはんぐわん正氏まさうぢ在京ざいきやうの時ざんにあひて家の亡びたるは永保年中の事なり、今をさる事およそ七百五十余年也。兄弟の怨魂ゑんこん今に消滅せうめつせざる事人知じんちを以論ずべからず。
殺さんと致せしは如何なる天魔てんま魑入みいりしやと今更後悔仕こうくわいつかまつるもせんなき事なればせめては罪障ざいしやう消滅せうめつため懺悔ざんげ仕つるなり因ては御殿場村の條七娘里儀の不義も何も引纏ひきまとめて惡事は此九郎兵衞なれば御はふどほりの御所刑しおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
苟且かりそめにも血液けつえき循環じゆんくわん彼等かれら肉體にくたい停止ていしされないかぎりは、一たんこゝろうつつたをんな容姿かたち各自かくじむねから消滅せうめつさせることは不可能ふかのうでなければならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
右にいふ兄弟の父岩城判官いはきはんぐわん正氏まさうぢ在京ざいきやうの時ざんにあひて家の亡びたるは永保年中の事なり、今をさる事およそ七百五十余年也。兄弟の怨魂ゑんこん今に消滅せうめつせざる事人知じんちを以論ずべからず。
疾風しつぷうかなら落葉おちば散亂さんらんせしめて、とほえながらはしるにしても、片々へんぺんたる落葉おちばひろ區域くゐきことごとおもかげをもとゞめないで消滅せうめつしてしまはねばらぬのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)