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つけ
ふりがな文庫
“
汁
(
つけ
)” の例文
と
是
(
これ
)
から
釣堀
(
つりぼり
)
へまゐりますと、
男女
(
なんによ
)
の
二人連
(
ふたりづれ
)
ゆゑ
先方
(
せんぱう
)
でも
気
(
き
)
を
利
(
き
)
かして
小間
(
こま
)
へ
通
(
とほ
)
して、
蜆
(
しゞみ
)
のお
汁
(
つけ
)
、お
芋
(
いも
)
の
煑転
(
につころ
)
がしで
一猪口
(
いつちよこ
)
出ました。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
汝
(
うぬ
)
を
贔屓
(
ひいき
)
に目が
眩
(
くら
)
んで、今までは知らなかったが、海に千年、川に千年、
劫
(
こう
)
を経た古狸、
攫出
(
つかみだ
)
してお
汁
(
つけ
)
の実にする、さあ
失
(
う
)
せろ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
汁
(
つけ
)
の中の餅をありったけ食べつくしてから甚五郎は水口から井戸までの細道をつけ一通りぐるりを見廻ってから、手拭をもらって帰った。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「田島さん。御飯をあがるんなら蒸して上げますよ。煮くたれててよければお
汁
(
つけ
)
もあります。どうします。」
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それには私はメディアムとして速乾漆液をそのまま柔らかな日本風の彩色筆に含ませて油絵具をきわめて薄くほとんどお
汁
(
つけ
)
の状態にまで溶解してガラス面へ塗って行く方法をとっている。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
▼ もっと見る
鹿どもは毎日雨戸をあけるのを待ちかねては御飯をねだりに揃ってやってきた。若草山で
摘
(
つ
)
んだ
蕨
(
わらび
)
や谷間で採った
蕗
(
ふき
)
やが、若い細君の手でおひたしやお
汁
(
つけ
)
の実にされて、食事を楽しませた。
遊動円木
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
お
汁
(
つけ
)
だてもできない、香の物も出せない女といわれても仕方がないのです。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
「お
汁
(
つけ
)
まあ、ちつとも
身
(
み
)
なんざねえや、よき
汝
(
われ
)
みんな
芋
(
いも
)
すくつちやつたな」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「やっぱり居ら、居るどころか、もっと居ら、どしこと居るぜ。一つかみ
打捕
(
ふんづかめ
)
えて、
岡田螺
(
おかだにし
)
とか何とかいって、お
汁
(
つけ
)
の実にしたいようだ。」
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かぢ「なにか因縁が悪いんだね、今夜は
己
(
おら
)
の家へ泊めてやろう、少し志す仏さまが有るから、お
汁
(
つけ
)
に野菜でお
飯
(
まんま
)
でも喰べな」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「鎌足らず公だから、三河屋の呉れた餅を三ケ一ほどお
汁
(
つけ
)
の中へ入れておやり」と云う。甚五郎は炉で煙草を吸って居る。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「それでも
俺
(
お
)
れ
打
(
ぶ
)
つ
飛
(
と
)
ばしてから
質
(
しち
)
の
流
(
なが
)
れだなんち
味噌
(
みそ
)
一
樽
(
たる
)
買
(
か
)
つたな、
麩味噌
(
ふすまみそ
)
で
佳味
(
うま
)
かねえが
今
(
いま
)
ぢやそんでもお
汁
(
つけ
)
は
吸
(
す
)
へるこた
吸
(
す
)
へんのよ」
卯平
(
うへい
)
は
自分
(
じぶん
)
の
手柄
(
てがら
)
でも
語
(
かた
)
るやうないひ
方
(
かた
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その気でお
膳
(
ぜん
)
に向った日にゃ、お
汁
(
つけ
)
の湯気が
濛々
(
もうもう
)
と
立騰
(
たちのぼ
)
ると、これが毒のある霧になる、そこで
咽死
(
むせじに
)
に死にかねませんな。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由「へえ、お平椀の下に青物が這入って
麩
(
ふ
)
が切ってある、これは分った
蕨
(
わらび
)
だ、
鳥肉
(
とり
)
が這入って居る……お汁に丸まッちい茄子のお
汁
(
つけ
)
は変だ……これは何んで」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お
汁
(
つけ
)
も
何
(
なに
)
も
要
(
い
)
らねえから一
杯
(
ぺえ
)
掻
(
か
)
つ
込
(
こ
)
んべ」
卯平
(
うへい
)
は
遲緩
(
もどか
)
し
相
(
さう
)
にいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
近々に兄さんの来なさるッて事が
此地
(
こっち
)
の新聞に二三度続けて出ていましたからね、……五日ほど前に
潟
(
かた
)
の
鮒
(
ふな
)
を取っておいたの。お
汁
(
つけ
)
の熱いのをと思ってさ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由「何だか御法事の気味がありますからね、奈良漬にお
汁
(
つけ
)
の
油揚
(
あぶらげ
)
は恐れ入った」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“汁”の解説
汁(しる)とは、固体中から染み出した成分が混じる液体のことである。液体の成分の主体は水であり、水の中に投入された物質から分泌された成分や、物質中から分泌された液体自身を指す言葉として用いられ、食用のものであれば中身がわからないときに呼ばれることが多い。また、兵庫県南西部では、食用のスープや、味噌汁のことをひとくくりにして、汁ということがある。
(出典:Wikipedia)
汁
常用漢字
中学
部首:⽔
5画
“汁”を含む語句
肉汁
味噌汁
墨汁
乳汁
液汁
膿汁
苦汁
煮汁
煎汁
灰汁
鼻汁
清汁
鰌汁
掛汁
汁粉
蜆汁
洟汁
糞汁
墨汁一滴
灰汁抜
...