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ぎ
ふりがな文庫
“
気
(
ぎ
)” の例文
旧字:
氣
中にも苦味走つた顔の男は、巡査の人を見るやうな見方をしたと思つたので、八は
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つたが、
怯
(
おく
)
れ
気
(
ぎ
)
が出て下を向いてしまつた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼女の双眼は、
叡智
(
えいち
)
のなかに、いたずら
気
(
ぎ
)
を隠して、
慧
(
さか
)
しげにまたたいていた。引き
緊
(
しま
)
った白い顔に、黒すぎるほどの眼だった。
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
必ず与次郎が持つて
来
(
き
)
て呉れる——と迄は無論彼を信用してゐないのだが、まあどうか工面して見様位の親切
気
(
ぎ
)
はあるだらうと考へてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
このおとろえた女王の
巾着
(
きんちゃく
)
切めいた商売
気
(
ぎ
)
は、ふたたびいまいましく興味
索然
(
さくぜん
)
たらしめることに、力をつくしたのであった。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
仕事の神は
嫉妬
(
しっと
)
深く、おまけに君のようにいたずら
気
(
ぎ
)
に富んでいるから、おれはもう一日というところでその神にたたられることをおそれる。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
▼ もっと見る
塵埃
(
ほこり
)
が
積
(
たか
)
る時分にゃあ掘出し
気
(
ぎ
)
のある
半可通
(
はんかつう
)
が、時代のついてるところが有り
難
(
がて
)
えなんてえんで買って行くか知れねえ、ハハハ。
白丁
(
はくちょう
)
奴
(
め
)
軽くなったナ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其の代り
心底
(
しんそこ
)
からこの人と見込んで惚れて仕舞うと、なか/\情合は深い、素人衆の
一寸
(
ちょい
)
ぼれして水でも
指
(
さゝ
)
れると移り
気
(
ぎ
)
がするのと訳がちがうそうで
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
、その森の中へおびきよせたかったのかもしれない。そして、ぼくの目の前で、空へ飛んで見せたかったのだろう。じつに、しばい
気
(
ぎ
)
たっぷりなやつだからね。
夜光人間
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今のようなことを聞けば、あなたはよけいに、卑怯者といわれたくないと思い、死んでも帰ると仰っしゃるかも知れませんが、そんな
逸
(
はや
)
り
気
(
ぎ
)
はやめて下さいませ。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俳諧の一つもやる風流
気
(
ぎ
)
はありながら店にすわっていて塩焼く
烟
(
けむり
)
の見ゆるだけにすぐもうけの方に思い付くとはよくよくの事と親類縁者も今では意見する者なく、店は女房まかせ
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
放埒
(
ほうらつ
)
な、移り
気
(
ぎ
)
な、想像も及ばぬパッションにのたうち回ってうめき悩むあの
大海原
(
おおうなばら
)
——葉子は失われた楽園を慕い望むイヴのように、静かに小さくうねる水の
皺
(
しわ
)
を見やりながら
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
馬はむら
気
(
ぎ
)
な主人の仕打を笑ふやうな顔をして、また後退りをした。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかも、かるはずみなる移り
気
(
ぎ
)
の国
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
おや、とんだ
廻
(
まわ
)
り
気
(
ぎ
)
さ。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「奥さん。トいう訳だけで、ほかに何があったのでも無いのですから、まわり
気
(
ぎ
)
の苦労はなさらないでいいのですヨ。おめでたいことじゃありませんかネ、ハハハ。」
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
飯尾
隠岐
(
おき
)
、下方左近
将監
(
しょうげん
)
などの老練の将は、藤吉郎の策を若い
逸
(
はや
)
り
気
(
ぎ
)
として、叱るが如く云った。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一面において馬鹿正直な彼女は、一面においてまた変な
廻
(
まわ
)
り
気
(
ぎ
)
を出す癖を
有
(
も
)
っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と次第を聞くと、丈助がなまぞらを
遣
(
つか
)
って
瞞
(
ごま
)
かしました。
侫弁
(
ねいべん
)
は甘くして蜜の如しという
譬
(
たとえ
)
の通りで、誠しやかに遣るのは丈助の得手でございますから、おぼこ
気
(
ぎ
)
のおみゑは
真実
(
まこと
)
の事と思い
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ひと枝折れば、むすめ
気
(
ぎ
)
の
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それを
弥
(
いや
)
が上にもアコギな掘出し
気
(
ぎ
)
で、三円五十銭で
乾山
(
けんざん
)
の皿を買おうなんぞという
図〻
(
ずうずう
)
しい料簡を腹の底に持っていたとて、何の、
乾也
(
けんや
)
だって手に入る訳はありはしない。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
取りあえずその
逸
(
はや
)
り
気
(
ぎ
)
な
挙動
(
ふるまい
)
を
止
(
とど
)
めておいて、さて
大
(
おおい
)
に踏ん
込
(
ご
)
んでもこの
可憫
(
あわれ
)
な児を危い道を
履
(
ふ
)
ませずに人にしてやりたいと思い、その娘のお浪はまたただ何と無く源三を好くのと
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“気”の解説
気(气、氣 CHEE )、また氣(き)とは、中国思想や道教や中医学(漢方医学)などの用語の一つ。一般的に気は不可視であり、流動的で運動し、作用をおこすとされている。しかし、気は凝固して可視的な物質となり、万物を構成する要素と定義する解釈もある。宇宙生成論や存在論でも論じられた。
(出典:Wikipedia)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“気”を含む語句
気遣
病気
気色
侠気
温気
気合
気質
気勢
雰囲気
蒸気
火気
呆気
気持
気狂
狂気
臭気
無邪気
湿気
食気
気難
...