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本復
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ほんぷく
ふりがな文庫
“
本復
(
ほんぷく
)” の例文
近ごろ主人の
董承
(
とうじょう
)
はすっかり体も
本復
(
ほんぷく
)
して、時おり後閣の春まだ浅い
苑
(
にわ
)
に逍遥する姿などを見かけるようになったからである。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魔隠
(
まかくし
)
に逢った
小児
(
こども
)
が帰った喜びのために、
一旦
(
いったん
)
本復
(
ほんぷく
)
をしたのだという人もありますが、私は、その娘の取ってくれた薬草の
功徳
(
くどく
)
だと思うです。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶯の如き
吭
(
のど
)
ありといふ、美しき外國婦人の夜を
徹
(
とほ
)
して護り居たるに、醫者は心を勞し給ふな、
本復
(
ほんぷく
)
疑なしといひきとぞといふ。我を伴ひ來し男の云はく。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
早速近所の医者を呼んで一時の苦痛は療治してもらったがまだなかなか
本復
(
ほんぷく
)
せんでこの通り
臥
(
ね
)
ている次第さ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
病氣
(
びやうき
)
が
本復
(
ほんぷく
)
してから
間
(
ま
)
もなく、
宗助
(
そうすけ
)
は
又
(
また
)
廣島
(
ひろしま
)
を
去
(
さ
)
つて
福岡
(
ふくをか
)
の
方
(
かた
)
へ
移
(
うつ
)
らなければならない
身
(
み
)
となつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その本人の島川は一旦
本復
(
ほんぷく
)
して、相変らず奥に勤めていたが、それからふた月ほどの後に再び不快と言い立てて引籠っているうちに、ある夜自分の部屋で首をくくって死んだ。
百物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同村の某が同じような高熱に悩んだとき、真言の僧に祈祷を受け、
唵摩耶底連
(
おんまやてれん
)
の札を水にうつしていただいたところ、翌日は熱も落ちて
本復
(
ほんぷく
)
したことを思いだしたのであった。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ところが
丁度
(
ちやうど
)
玄竹
(
げんちく
)
に
取
(
と
)
つて
幸
(
さいは
)
ひなことには、
多田院別當
(
ただのゐんべつたう
)
英堂和尚
(
えいだうをしやう
)
が
病氣
(
びやうき
)
になつて、
開帳中
(
かいちやうちう
)
のことだから、
早
(
はや
)
く
本復
(
ほんぷく
)
させないと
困
(
こま
)
るといふので、
玄竹
(
げんちく
)
のところへ
見舞
(
みまひ
)
を
求
(
もと
)
むる
別人
(
べつじん
)
が
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
関白師実の娘といったのは、仙洞にかしずいている養女で、実は妻の
姪
(
めい
)
である。この
后
(
きさき
)
は久しい間病気でいられたのに、厨子王の守本尊を借りて拝むと、すぐに
拭
(
ぬぐ
)
うように
本復
(
ほんぷく
)
せられた。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
父の開業していた、その浅草医院は、大学の先生の見離した病人が
本復
(
ほんぷく
)
したなどという例も幾つかあって、父は浅草区内で流行医の一人になっていた。そして一つの専門に限局せずに、何でもやった。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
遣
(
つかは
)
し候處
本復
(
ほんぷく
)
次第
(
しだい
)
に禮すると云て行方も知れず出行候と申ければ
役人
(
やくにん
)
住所は何處とも云ざりしかと問ふに
道達
(
だうたつ
)
夜中に
押込
(
おしこみ
)
候
程
(
ほど
)
の者共に候へば一
向
(
かう
)
名
(
な
)
や所は申さずと
答
(
こた
)
ふるにぞ
大概
(
おほかた
)
其者ならんと思へども手
疵
(
きず
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鰯
(
いわし
)
の
天窓
(
あたま
)
も
信心
(
しん/″\
)
から、
其
(
それ
)
でも
命数
(
めいすう
)
の
尽
(
つ
)
きぬ
輩
(
やから
)
は
本復
(
ほんぷく
)
するから、
外
(
ほか
)
に
竹庵
(
ちくあん
)
養仙
(
やうせん
)
木斎
(
もくさい
)
の
居
(
ゐ
)
ない
土地
(
とち
)
、
相応
(
さうおう
)
に
繁昌
(
はんじやう
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「充分にお体を癒し、ご
本復
(
ほんぷく
)
の上も、姫路へもどって
悠々
(
ゆうゆう
)
休養されるがよい」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
樣子
(
やうす
)
あつて云ひかはせし、夫の名は申されぬが、わたし故に騷動起り、その場へ立合ひ
手疵
(
てきず
)
を負ひ、一旦
本復
(
ほんぷく
)
あつたれど、この頃はしきりに痛み、いろ/\介抱盡せども
效
(
しるし
)
なく、立寄る
方
(
かた
)
も旅の空
近松半二の死
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「尊い御仏を拝むと、万病が
本復
(
ほんぷく
)
する」
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“本復”の意味
《名詞》
病気が完治すること。全快。
配流されていた者がふるさとへ帰ること。
(出典:Wiktionary)
本
常用漢字
小1
部首:⽊
5画
復
常用漢字
小5
部首:⼻
12画
“本”で始まる語句
本
本所
本郷
本当
本意
本望
本性
本當
本文
本町