トップ
>
明瞭
>
はつきり
ふりがな文庫
“
明瞭
(
はつきり
)” の例文
念佛
(
ねんぶつ
)
の
濁
(
にご
)
つた
聲
(
こゑ
)
も
明
(
あか
)
るく
響
(
ひゞ
)
いた。
地上
(
ちじやう
)
を
掩
(
おほ
)
うた
霜
(
しも
)
が
滅切
(
めつきり
)
と
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
寮
(
れう
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
てられた
天棚
(
てんだな
)
の
粧飾
(
かざり
)
の
赤
(
あか
)
や
青
(
あを
)
の
紙
(
かみ
)
が
明瞭
(
はつきり
)
として
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
踊をモ一つ所望した小松君の横顏、……それから、市子の顏を
明瞭
(
はつきり
)
描いて見たいと云ふ樣な氣がして、折角努めて見たが、怎してか浮んで來ない。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
細い
路次
(
ろじ
)
を通つて、
宅
(
うち
)
の前まで來ると、表の戸は
一昨日
(
おとゝひ
)
締めて行つたまゝである。何處をほつき𢌞つてゐたのか、
宛然
(
まるで
)
夢中で、自分にも
明瞭
(
はつきり
)
覺
(
おぼへ
)
がない。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
けれどいくら考へても、庭園や附屬館のある
邸
(
やしき
)
の
構
(
かまへ
)
を、
明瞭
(
はつきり
)
した圖に描くことは出來なかつた。××州・ミルコオト。私は英吉利の地圖の記憶を掻き探した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
然し汝に感服したればとて今直に五重の塔の
工事
(
しごと
)
を汝に任するはと、
軽忽
(
かるはずみ
)
なことを老衲の
独断
(
ひとりぎめ
)
で云ふ訳にもならねば、これだけは
明瞭
(
はつきり
)
とことわつて置きまする
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
その明るさが室の内を照らし出すと、幾分
頭腦
(
あたま
)
も
明瞭
(
はつきり
)
したやうで
先刻
(
さつき
)
途中で買つて來た菓子の袋を袂から取り出して茶道具を引寄せた。そして自分は湯を貰ひに二階から勝手に降りた。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
そのくせ、極く小さな事で、忘れないで居るやうなことは、それが昨日あつたと言ふよりはつい今日あつたことのやうに、
明瞭
(
はつきり
)
と、しかも微細な點まで、實に活々と感ぜられるのですが……
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
然
(
さ
)
うとも』と
云
(
い
)
つて
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は『なか/\
明瞭
(
はつきり
)
とお
前
(
まへ
)
は
物事
(
ものごと
)
を
判別
(
はんべつ
)
する!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「うむ、さうだあ、そんだから
觸
(
さあ
)
つとがさ/\すんだよ」
斯
(
か
)
ういつておつぎの
聲
(
こゑ
)
は
少
(
すこ
)
し
明瞭
(
はつきり
)
として
來
(
き
)
た。おつぎは
羞
(
はぢ
)
を
含
(
ふく
)
んだ
容子
(
ようす
)
を
作
(
つく
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何を教へて居るのか、自分にも
明瞭
(
はつきり
)
解らぬ。解らぬが、然し何物かを教へて居る。朝起きるから夜枕につくまで、一生懸命になツて其何物かを教へて居る。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その理由は彼自身にも
明瞭
(
はつきり
)
しなかつた。
歯痛
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
何を教へて居るのか、自分にも
明瞭
(
はつきり
)
解らぬ。解らぬが、然し何物かを教へて居る。朝起きるから夜枕につくまで、一生懸命になツて其何物かを教へて居る。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
卯平
(
うへい
)
はそれでもおつぎの
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと
目
(
め
)
を
瞑
(
つぶ
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
殆
(
ほとん
)
ど
明瞭
(
はつきり
)
とは
見
(
み
)
られぬやうな
微
(
かす
)
かな
笑
(
わら
)
ひが
泛
(
うか
)
ぶのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何方
(
どつち
)
が先で、何方が
後
(
あと
)
だつたのか、
明瞭
(
はつきり
)
とは思出し難い。が私は六歳で村の小學校に上つて、二年生から三年生に進む大試驗に、私の半生に唯一度の落第をした。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何方
(
どつち
)
が先で、何方が後だつたのか、
明瞭
(
はつきり
)
とは思出し
難
(
にく
)
い。が私は六歳で村の小学校に上つて、二年生から三年生に進む大試験に、私の半生に唯一度の落第をした。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『然うで御座いますねえ。』とお利代は大きい眼を
瞬
(
しばたた
)
き乍ら、未だ
明瞭
(
はつきり
)
と自分の心を言出しかねる様で
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
雀躍
(
こをどり
)
する様に身体を揺がして、踊をモ一つと所望した小松君の横顔、……それから、市子の顔を
明瞭
(
はつきり
)
描いて見たいと云ふ様な気がして、折角努めて見たが、怎してか浮んで来ない。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それは其人が、己れの意志でやつた事か、私が命令してやらした事か
明瞭
(
はつきり
)
しない。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何日か何処かで叩かれてゐるのを見た事もある様だが、それは
明瞭
(
はつきり
)
しない。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何時
(
いつ
)
か何處かで叩かれてゐるのを見た事もある樣だが、それは
明瞭
(
はつきり
)
しない。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一年中最も樂しい秋の盛岡——大
穹窿
(
てんじやう
)
が無邊際に澄み切つて、空中には一微塵の影もなく、田舍口から入つて來る炭賣薪賣の馬の、冴えた/\鈴の音が、市の
中央
(
まんなか
)
まで
明瞭
(
はつきり
)
響く程透徹であることや
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一年中最も楽しい秋の盛岡——
大穹窿
(
だいきゆうりゆう
)
が無辺際に澄み切つて、空中には
一微塵
(
いちみじん
)
の影もなく、田舎口から入つて来る炭売
薪売
(
まきうり
)
の馬の、冴えた/\鈴の音が、
市
(
まち
)
の
中央
(
まんなか
)
まで
明瞭
(
はつきり
)
響く程透徹であることや
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「先刻の話」と云ふ語は熱して居る野村の頭にも
明瞭
(
はつきり
)
と聞えた。支廳の戸川に打合せる話なら俺の事ぢやない。ハテそれでは何の事だらうと頭を擧げたが、何故か心が臆して竹山に聞きもしなかつた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「先刻の話」と云ふ
語
(
ことば
)
は熱して居る野村の頭にも
明瞭
(
はつきり
)
と聞えた。支庁の戸川に打合せる話なら俺の事ぢやない。ハテそれでは何の事だらうと頭を挙げたが、何故か心が臆して竹山に聞きもしなかつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ああ、さうですか。安井君が。』さういふ言葉が
明瞭
(
はつきり
)
と聞えた。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、
明瞭
(
はつきり
)
言放つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
瞭
常用漢字
中学
部首:⽬
17画
“明瞭”で始まる語句
明瞭度