恥辱ちじよく)” の例文
それをおうらまをすのではない。嫉妬ねたみそねみもせぬけれど、……口惜くちをしい、それがために、かたきから仕事しごと恥辱ちじよくをおあそばす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うばひ取られし事他聞たぶんも宜しからず當家の恥辱ちじよくなりとて改易かいえき申付られ尤も憐愍れんみんを以て家財は家内へ與へられたれば通仙が後家ごけお竹并びに娘お高はやしき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此方このはうからくといへ恥辱ちじよくにもなるじつにくむべきやつではあるが、情實じやうじつんでな、これほどまでみさをといふものを取止とりとめていただけあはれんでつて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かく觀察かんさつされてみるとき著者ちよしやごと斯學しがく專攻者せんこうしや非常ひじよう恥辱ちじよくかんぜざるをないのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それから、私は、高くのぼつたまゝ、そこにゐた。曾てはこの室の眞中まんなかに自分の足で立たせられる恥辱ちじよくさへ堪へ得ないと云ひ放つた私が、今は汚名をめいの臺上に衆目を集めてさらされてゐた。
付け種々に惡口申つのり候何分勘辨かんべんなりがたく久兵衞を切捨んと存じ候をり御加役方笠原久米之進殿に召捕れかく繩目なはめ恥辱ちじよく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
味噌みそ小買こがひをするは、しちをおくほど恥辱ちじよくだと風俗ふうぞくなりしはずなり。豆府とうふつて半挺はんちやう小半挺こはんちやうとてる。菎蒻こんにやく豆府屋とうふやにつきものとたまふべし。おなじなか菎蒻こんにやくキツトあり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
したゝめてあるゆゑ安五郎は此兩三日桶伏をけふせ恥辱ちじよくあひ無念むねん至極しごくに思ひ晝夜ちうやもやらず居る處成ば文を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ねえ、若旦那わかだんなわたし貴方あなたきらひなの。でもきらひだとつたつて、きらはれたことわからないおかたでせう。貴方あなた自分じぶんおもつたをんなは、みんなことくんだとおもつてるもの。おもはれるものの恥辱ちじよくです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)