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引摺
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ひきずり
ふりがな文庫
“
引摺
(
ひきずり
)” の例文
剥出
(
むきだ
)
し是サ此子は
怖
(
こは
)
い事はない此伯父と一所に
歩行々々
(
あゆめ/\
)
と
引摺
(
ひきずり
)
行を娘はアレ/\
勘忍
(
かんにん
)
して下されませ
母樣
(
かゝさま
)
が待て居ますと
泣詫
(
なきわび
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昨日も
丁度
(
ちょうど
)
ここで逢ったから、腕を掴んで
引摺
(
ひきずり
)
上げて
与
(
や
)
ろうと思ったんだけれど、
生憎
(
あいにく
)
阿父
(
おとっ
)
さんが
一所
(
いっしょ
)
だったから、まあ堪忍して置いて
与
(
や
)
ったのさ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「マダ早いよ、僕の処は夜るが昼だからね。眠くなったらソコの押入から夜具を
引摺
(
ひきずり
)
出してゴロ寝をするさ。
賀古
(
かこ
)
なぞは十二時が打たんけりゃ来ないよ、」
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
又
頽然
(
ぐたり
)
となると、足の運びも自然と
遅
(
おそ
)
くなり、そろりそろりと草履を
引摺
(
ひきずり
)
ながら、
目的
(
あて
)
もなく
小迷
(
さまよ
)
って行く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
もとより
何故
(
なにゆゑ
)
といふ
理
(
わけ
)
はないので、
墓石
(
はかいし
)
の
倒
(
たふ
)
れたのを
引摺
(
ひきずり
)
寄
(
よ
)
せて、
二
(
ふた
)
ツばかり
重
(
かさ
)
ねて
臺
(
だい
)
にした。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
いわばすッてんてんの
着
(
き
)
のみ
着
(
き
)
のままで
蛆
(
うじ
)
が
湧
(
わ
)
くのも
面白
(
おもしろ
)
かろうと、
男
(
おとこ
)
やもめの
垢
(
あか
)
だらけの
体
(
からだ
)
を
運
(
はこ
)
び
込
(
こ
)
んだのが、
去年
(
きょねん
)
の
暮
(
くれ
)
も
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
って、
引摺
(
ひきずり
)
り
餅
(
もち
)
が
向
(
むこ
)
ッ
鉢巻
(
ぱちまき
)
で
練
(
ね
)
り
歩
(
ある
)
いていた
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
お
引摺
(
ひきずり
)
のお
轉婆
(
てんば
)
さん
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
つけられて惡漢どもよし/\
合點
(
がつてん
)
承知の濱と遂ひに懷劔を
捻取
(
もぎと
)
りつゝ手どり足どり
旋々
(
くる/\
)
まき
強情
(
しぶとひ
)
婀魔
(
あま
)
めと
引摺
(
ひきずり
)
來
(
き
)
て
捻
(
ねぢ
)
つけ駕籠へ入れんとするを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
親仁
(
おやじ
)
は郵便局の配達か何かで、大酒呑で、
阿母
(
おふくろ
)
はお
引摺
(
ひきずり
)
と来ているから、
常
(
いつ
)
も
鍵裂
(
かぎざき
)
だらけの着物を着て、
踵
(
かかと
)
の切れた
冷飯草履
(
ひやめしぞうり
)
を突掛け、片手に貧乏徳利を提げ
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「阿母さん、お葉は……。お葉は
何処
(
どこ
)
へ行った。」と、彼はお杉の腕を掴んで、力任せに
引摺
(
ひきずり
)
廻した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この晩度々見えた白粉の女がそうらしくも思われたが、マサカに二葉亭が「一見して気象に惚れ込んだ」というほど思い込んだ女があんな
下司
(
げす
)
な
引摺
(
ひきずり
)
だとは信じられなかった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
色情狂
(
いろきちがい
)
で、おまけに
狐憑
(
きつねつき
)
と来ていら。毎日のように、差配の
家
(
うち
)
の前をうろついて
附纏
(
つきまと
)
うんだ。昨日もね、門口の段に腰を掛けている処を、
大
(
おおき
)
な旦那が襟首を持って
引摺
(
ひきずり
)
出した。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
發し其金の五十兩とは何所から出したる金
成
(
なる
)
ぞ夫程迄に
兎
(
と
)
や
角
(
かく
)
と云事ならば其方が養父の宅へ
引摺
(
ひきずり
)
行
(
ゆき
)
て金の出所
糺
(
たゞ
)
して呉ん已に
屹度
(
きつと
)
穿鑿
(
せんさく
)
に及びし上にて
黒白
(
くろしろ
)
の
分
(
わか
)
ちを付んと一
刀
(
たう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
無論外形の一部分をモデルとしたので、全体を描いたのではなかった。第一、この女は随分マズイ御面相で、お勢のような美人でなかった。かつお勢よりもお
転婆
(
てんば
)
であり
引摺
(
ひきずり
)
であった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
“引摺”で始まる語句
引摺込
引摺出
引摺上
引摺倒
引摺々々
引摺下
引摺寄