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ひきずり
又
頽然となると、足の運びも自然と
遅くなり、そろりそろりと草履を
引摺ながら、
目的もなく
小迷って行く。
もとより
何故といふ
理はないので、
墓石の
倒れたのを
引摺寄せて、
二ツばかり
重ねて
臺にした。
いわばすッてんてんの
着のみ
着のままで
蛆が
湧くのも
面白かろうと、
男やもめの
垢だらけの
体を
運び
込んだのが、
去年の
暮も
押し
詰って、
引摺り
餅が
向ッ
鉢巻で
練り
歩いていた