-
トップ
>
-
引掛
>
-
ひつかゝ
乘るのがうまいと
言ふ
下から、
落ちることもよく
落ちた。
本郷の
菊坂の
途中で
徐々と
横に
落ちたが
寺の
生垣に
引掛つた、
怪我なし。
所が
杉原の
方では、
妙な
引掛りから、
宗助の
此所に
燻ぶつてゐる
事を
聞き
出して、
強いて
面會を
希望するので、
宗助も
已を
得ず
我を
折つた。
「
又來つかんな」とおつぎは
沈んだ
聲でいつて
出て
行くのを、
後で
卯平の
眥からは
涙が
少し
洩れて、
其の
小さな
玉が
暫く
窶れた
皺に
引掛つてさうしてほろりと
枕に
落ちるのであつた。
然うですね、
年少な
田舍の
大盡が、
相場に
掛つて
失敗でもしたか、
婦に
引掛つて
酷く
費消過ぎた……とでも
云ふのかと
見える
樣子です。
生暖かい
風の
吹く日であつた。
曇つた天気が
何時迄も
無精に
空に
引掛つて、
中々暮れさうにない四時過から
家を
出て、
兄の
宅迄電車で行つた。
續いて
引掛つたのが、
同じ
家の
子守兒で
二人、三
人目は、
部屋頭何とか
云ふ
爺の
女房であつた。
續いて
引掛つたのが
同じ
家の
子守兒で
二人、三
人目は
部屋頭何とか
云ふ
爺の
女房であつた。