引掛ひつかゝ)” の例文
るのがうまいとしたから、ちることもよくちた。本郷ほんがう菊坂きくざか途中とちう徐々やは/\よこちたがてら生垣いけがき引掛ひつかゝつた、怪我けがなし。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところ杉原すぎはらはうでは、めう引掛ひつかゝりから、宗助そうすけ此所こゝくすぶつてゐることして、いて面會めんくわい希望きばうするので、宗助そうすけやむつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またつかんな」とおつぎはしづんだこゑでいつてくのを、あと卯平うへいめじりからはなみだすこれて、ちひさなたましばらやつれたしわ引掛ひつかゝつてさうしてほろりとまくらちるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うですね、年少としわか田舍ゐなか大盡だいじんが、相場さうばかゝつて失敗しつぱいでもしたか、をんな引掛ひつかゝつてひど費消つかひぎた……とでもふのかとえる樣子やうすです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
生暖なまあたゝかいかぜく日であつた。くもつた天気が何時迄いつまで無精ぶせうそら引掛ひつかゝつて、中々なか/\れさうにない四時過からうちて、あに宅迄たくまで電車で行つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つゞいて引掛ひつかゝつたのが、おないへ子守兒こもりつこ二人ふたり、三人目にんめは、部屋頭へやがしらなんとかぢゞい女房にようばうであつた。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つゞいて引掛ひつかゝつたのがおないへ子守兒こもりつこ二人ふたり、三人目にんめ部屋頭へやがしらなんとかおやぢ女房にようばうであつた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)