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そと
ふりがな文庫
“
屋外
(
そと
)” の例文
高瀬は
屋外
(
そと
)
まで
洋燈
(
ランプ
)
を持出して、暗い道を照らして見せたが、やがて家の中へ入って見ると、余計にシーンとした夜の
寂寥
(
さびしさ
)
が残った。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
が、この限られた區域の内で、毎日一時間は
屋外
(
そと
)
で過さねばならなかつた。私たちの着物は、
嚴
(
きび
)
しい寒さを防ぐには十分ではなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「火には捲かれずとも、こんな寒さに、
屋外
(
そと
)
をうろうろしていたら、大事な坊やに、風を引かせてしまいます——誰か、早く、さがして来て——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
屋外
(
そと
)
では、はげしく吹き荒れている風が窓をゆすぶり、しぶきはその窓硝子を騒々しく叩いて、ときどき
犬舎
(
いぬごや
)
の方から犬どものウウと唸る声が聞えた。
犬舎
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
夜はしだいに
更
(
ふ
)
けた。
屋外
(
そと
)
を行く散歩者の姿もめっきり
疎
(
まば
)
らとなり、キャバレーの中では酔いのまわった客の吐き出す声がだんだん高くなっていった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
「まア驚いた!」と今一度言って、「お清様は今日
屋外
(
そと
)
の炭をお出しになりや仕ませんね?」と
訊
(
き
)
いた。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ばたばたと
屋外
(
そと
)
で——今度はやや間近な窓の下あたり、烈しい
跫音
(
あしおと
)
が駈けた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋外
(
そと
)
はよく晴れた、冴えた
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
屋外
(
そと
)
は雨の音、ザアッ。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
北向の屋根の軒先から垂下る
氷柱
(
つらら
)
は二尺、三尺に及ぶ。身を包んで
屋外
(
そと
)
を歩いていると
気息
(
いき
)
がかかって
外套
(
がいとう
)
の
襟
(
えり
)
の白くなるのを見る。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ところが彼は、
屋外
(
そと
)
に出てみて、オヤと叫んだ。——岩蔵が今木立の奥にある玄関のところから、庭園の砂利の上をノコノコこっちに歩いてくるのを見た。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
屋外
(
そと
)
は、もう、いつか初冬らしい、木枯じみた、黒く冷たい風が吹きとおしている。立ちつづく、芝居小屋前の
幟
(
のぼり
)
が、ハタハタと、吹かれて鳴るのも、寒む寒むしい。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
屋外
(
そと
)
は雨の音、ザアッ。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
屋外
(
そと
)
には
嵐
(
あらし
)
……
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
屋外
(
そと
)
の方では
遽
(
にわか
)
に
蛙
(
かわず
)
の鳴出す声が聞えた。岸本は子供等の顔を眺めながら、旅の空では
殆
(
ほと
)
んど聞かれなかった蛙の声に耳を澄ました。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「丑や、為は、
屋外
(
そと
)
へ、うっちゃられたが?」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
二人で
屋外
(
そと
)
からでも帰って来ると、一番先におせんの足音を聞付けるのはこのマルだった。そして、彼女の
裾
(
すそ
)
に纏い着いたものだ。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は
屋外
(
そと
)
からいろいろなことを聞いて来る三郎を見るたびに、ちょうど強い雨にでもぬれながら帰って来る自分の子供を見る気がした。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ちょうど半蔵も隠宅にある時で心ゆくばかり師匠の読書する声が二階から
屋外
(
そと
)
まで聞こえて来ているところへ勝重は訪ねて行った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
まだそれでも、斯うして釣に出られるやうな日は好いが、
屋外
(
そと
)
へも出られないやうな日と来ては、実に我輩は
為
(
す
)
る事が無くて困る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「すこし
煙
(
けむっ
)
たくなって来たナア。開けるか」とW君は起上って、細目に小屋の障子を開けた。しばらく
屋外
(
そと
)
を眺めて立っていた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その時ほど岸本は節子と二人ぎりでのびのびと
屋外
(
そと
)
の空気を呼吸したり青空を楽んだりするような位置に自分を見出したことは無かった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
屋外
(
そと
)
は昼間のように明るい。
燐
(
りん
)
のような光に誘われて、復た三吉は雑木林の方まで歩きに行きたく成った。お俊は叔父に連れられて行った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
庭に行って見ると、
汚
(
よご
)
れた雪の上に降りそそぐ音がする。
屋外
(
そと
)
へ出て見ると、残った雪が雨のために溶けて、暗い色の土があらわれている。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
雪は
屋外
(
そと
)
に降り積ると見え、時々窓の戸にあたつて、はた/\と物の崩れ落ちる音より外には、
寂
(
しん
)
として声一つしない、それは
沈静
(
ひつそり
)
とした
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ふとわれに返ると、静かな
読経
(
どきょう
)
の声が半蔵の耳にはいった。にわかに明るい日の光は、
屋外
(
そと
)
にある
杉
(
すぎ
)
の木立ちを通して、社殿に満ちて来た。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
墓参りより外にめったに
屋外
(
そと
)
に出たことのないようなおげんに取っては、その川岸は胸一ぱいに好い空気を呼吸することの出来る場所であり
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
部屋の障子の
玻璃
(
ガラス
)
を通して、湿った
屋外
(
そと
)
の空気が見られる。何となく正太は向島の方へ心を誘われるような眼付をしていた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その一夏の間、静の屋の二階からは澄んだ笛の音が
屋外
(
そと
)
までもれてよく聞こえた。ひとりいる時の半蔵が吹き鳴らした音だ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
戸の
透間
(
すきま
)
が明るく成った。お雪は台所の方へ行って働いた。裏口を開けて
屋外
(
そと
)
へ出てみると、新鮮な朝の空気は彼女に
蘇生
(
いきかえ
)
るような力を与えた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
寿平次も正己を連れて
屋外
(
そと
)
から
戻
(
もど
)
って来た。二人とも山遊びらしい
軽袗
(
かるさん
)
ばきだ。兄はお民を見ると、自分の腰につけている軽袗の
紐
(
ひも
)
をときながら
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
直樹は中学に入ったばかりの青年で、折取った野の花を提げて、
草臥
(
くたぶ
)
れたような顔付をしながら
屋外
(
そと
)
から帰って来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
近所の人達は
屋外
(
そと
)
へ出た。互に家の
周囲
(
まわり
)
へ水を
撒
(
ま
)
いた。叔父が
跣足
(
はだし
)
で庭へ下りた頃は、お俊も気分が好く成ったと言って、台所の方へ行って働いた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『いや、もう
屋外
(
そと
)
は寒いの寒くないのツて、手も何も
凍
(
かじか
)
んで了ふ——今夜のやうに
酷烈
(
きび
)
しいことは
今歳
(
ことし
)
になつて始めてだ。どうだ、君、是通りだ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
直樹を休ませて置いて、三吉は
何処
(
どこ
)
へという
目的
(
めあて
)
もなく
屋外
(
そと
)
へ歩きに行った。お雪の言ったことに対しても、何とか彼は答えなければ成らなかった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何時
(
いつ
)
の間に
屋外
(
そと
)
へ飛出して行って、何時の間に帰って来ているかと思われるようなのは、この遊びに夢中な子供だ。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
家のものは皆
屋外
(
そと
)
へ遊びに出し、門の戸は閉め、錠は掛けて置いて、たった
独
(
ひと
)
りで二階に横に成って見るような、そうした心持には
最早
(
もう
)
成れなかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度その話をして聞かせて居る最中に、
尋常
(
たゞ
)
ならぬ
屋外
(
そと
)
の様子で、敵の艦隊が津軽海峡を通過ぎたことを知つた。私は三日ばかり早く函館へ着いて好かつた。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかしおまんは奉公人の言うことなぞに
頓着
(
とんちゃく
)
しないで、ゆっくり若い者を眠らせようとした。そこへおふき婆さんが新夫婦の様子を見に
屋外
(
そと
)
からはいって来た。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
塩の
握飯
(
むすび
)
をくれとでも言って、今にも
屋外
(
そと
)
から帰って来るような気がしますよ——わたしはあの塩の握飯の熱いやつを
朴葉
(
ほおば
)
に包んで、よく子供にくれましたからね。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
皿の上のものを欲しさうな顔附をして、側に附いて居られるのもうるさく、すこし追つて見た位で
屋外
(
そと
)
へ出て行く様子も無い。私は犬の方へ
関
(
かま
)
はずにナイフを取上げた。
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
オロシャだ、いやアメリカだ、そんなことを言い合って、また二人で
屋外
(
そと
)
へ出て行きましたよ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
沈まり返った
屋外
(
そと
)
の方で、高瀬の家のものは誰の声とは一寸見当のつかない呼声を聞きつけた。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
夕飯に呼び込まれる頃は、家の内は薄暗い。
屋外
(
そと
)
から入つて來た弟の方は
燈火
(
あかり
)
の下に立つて
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その朝から三吉はおげんの側で楽しい暑中休暇を送ろうとして朝飯でも済むと
復
(
ま
)
た直ぐ
屋外
(
そと
)
へ飛び出して行ったが、この小さな甥の子供心に言ったことはおげんの身に
徹
(
こた
)
えた。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やがて復たベルの音が講堂の
階下
(
した
)
の入口の方で鳴った。
屋外
(
そと
)
へ出て休んでいた聴講者等まで階段を登って来た。チャペルの方へ行く講師の一人が捨吉達の見ている前を通った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
文ちやんが
屋外
(
そと
)
からお友達でも連れて来ると、
何時
(
いつ
)
でも斯の通り部屋を
散乱
(
ちらか
)
して
了
(
しま
)
ふ。お栄は仏壇のある袋戸棚の下あたりを掃いて居ると、そこへ叔父さんが二階から下りて来た。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
身体の弱かった田辺の姉さんにもめずらしく気分の好い日が続いて
屋外
(
そと
)
へでも歩きに行こうという夕方には、それを悦んで連立つおばあさんや静かに歩いて行く姉さんの後に
随
(
つ
)
いて
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
水車小屋を隔てゝ相生町の通の方には、ザワ/\ザワ/\人の通る足音を聞く。お島が
屋外
(
そと
)
から子供を抱いて戻つて来て今日は斯の町からも召集されて行く人のあることを私に告げた。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
斯ういふ家庭の空氣でしたから、自然と私の心は
屋外
(
そと
)
の方へ向ひました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“屋外”の意味
《名詞》
建物の外。
(出典:Wiktionary)
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
“屋外”で始まる語句
屋外囲
屋外避難
屋外博物館