“寄生木:やどりぎ” の例文
“寄生木:やどりぎ”を含む作品の著者(上位)作品数
宮本百合子3
牧野信一2
吉川英治2
蘭郁二郎2
小栗虫太郎2
“寄生木:やどりぎ”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語1.9%
文学 > 日本文学 > 日本文学0.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
虫を捉えて食べるという苔、実の頭から四つの羽のつとが出ている寄生木やどりぎの草、こういうものも翁には珍らしかった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
縁はなもので、ゴルドン伝を書いた翌々年「寄生木やどりぎ」の主人公から突然「寄生木」著作の事を委托いたくされた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
美的百姓が「寄生木やどりぎ」を出す時、角谷はその校正こうせいを持って銀座と粕谷の間を自転車で数十回往復した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
八五郎は板屋家の塀の外に、寄生木やどりぎのやうに喰ひ付いた小さい家を顎で指し乍ら、切戸を押しあけて板屋家の庭へ入るのでした。
地響を立てて横たわる古い、苔や寄生木やどりぎのついた幹に払われて、共に倒れる小さい生木の裂ける悲鳴。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
修道組合が大なる社会組織に対する関係は、あたかも寄生木やどりぎかしの木におけるがごとく、いぼの人体におけるがごときものである。
私のゐる寄生木やどりぎも隣りの怒山も、その他五つの字名の小区域と共に竜巻村といふものゝ中の小字であり、俗称であつて、登録された名称ではないのです。
月あかり (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
年久しく、松平家は、今川家という大樹にって存立して来た寄生木やどりぎであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
樹々の幹肌に寄生木やどりぎが蒼黒い葉を茂らせ、つたが梢をおおって這っていた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
それから、竜見川たつみがわ学園の保姆ほぼ……それはまだしもで、私は寄生木やどりぎとまでののしられたのですわ。いいえ、私だっても、どんなに心苦しいことか……。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そしてこの辺から、巨樹は死に絶え、寄生木やどりぎだけの世界になってきた。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
柳には、乾いた藻のような寄生木やどりぎが、ぼさぼさ一杯ぶら下っている。
翔び去る印象 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
仙台を取り入れているものでは徳富健次郎の『寄生木やどりぎ』があります。
高い上の方の洞に寄生木やどりぎの育っている、大きな大きなけやきの根元にりかかりながら、彼女はなだらかな起伏をもって続いているこの柔かい草に被われた地の奥を想う。
地は饒なり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
物心ついてから、早くも一生の寄生木やどりぎとして心の奥底から、それこそ、何物にも代え難く愛し、敬し、慕っていた、その偶像「葉子」が、この自分を棄てて、結婚してしまうのだ。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
その老いた幹には、大きな枝の脇の下に寄生木やどりぎが生えて居た。
自分が主でも無い癖に自己おのが葉色を際立てゝかはつた風を誇顔ほこりが寄生木やどりぎは十兵衞の虫が好かぬ、人の仕事に寄生木となるも厭なら我が仕事に寄生木を容るゝも虫が嫌へば是非がない
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
時ならぬ寄生木やどりぎい出でけん折。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
クリスマスの裝飾さうしよくもちゐた寄生木やどりぎおほきなくすだまのやうなえだが、ランプのひかり枝葉えだはかげせて天井てんじやうつるされてゐる。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
自分が主でもない癖に自己おのが葉色を際立ててかわった風をほこ寄生木やどりぎは十兵衛の虫が好かぬ、人の仕事に寄生木となるも厭ならわが仕事に寄生木をるるも虫が嫌えば是非がない
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おそらく漢朝の隆盛はもう過去のものでしょう。かえって寄生木やどりぎたる曹操そうそうのほうが次第に老いたる親木をい、幹を太らせ、ついに根を漢土に張って、繁茂はんもしてくること必然でしょう。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時節は丁度初夏の五月の事とて、これらの樹木はいずれもその枝のたわむほど、重々しく青葉に蔽われている上に、気味の悪い名の知れぬ寄生木やどりぎが大樹のこぶや幹の股から髪の毛のような長い葉を垂らしていた。
「適当な方法を使えば雪の降る日に西瓜を実らすことも出来る。わしはそのあらゆる方法を使って、この地に発見された珍らしい活溌な寄生木やどりぎの一種をもとに、あれまで漕ぎつけたのだ。寄生木はほとんど根らしいものを持たぬあれは菜食植物だ」
植物人間 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
鬼涙きなだ寄生木やどりぎ夜見よみ、五郎丸、鬼柳きりう深堀しんぼり怒田ぬた、竜巻、惣領そうれう、赤松、金棒、鍋川——足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。
その村を憶ひて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
日露戰爭凱旋當時、此丘上をかのうへに盛大な師團招魂祭があつて、芝居、相撲、割れる樣な賑合にぎはひの中に、前夜戀人の父から絶縁の一書を送られて血を吐く思の胸を抱いて師團の中尉寄生木やどりぎの篠原良平が見物に立まじつたも此春光臺であつた。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)