孤獨こどく)” の例文
新字:孤独
あゝ孤獨こどく落魄らくばくこれが僕の運命うんめいだ。僕見たいなものが家庭を組織そしきしたら何うだらう。つまにはなげきをには悲しみをあたへるばかりだ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
成程なるほどさうへば何處どこ固拗かたくなのところもあるが、ぼくおもふには最初さいしよ頑固ぐわんこつたのながらのちにはかへつて孤獨こどくのわびずまひが氣樂きらくになつてたのではあるまいか。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この社交的しやかうてき坂井さかゐと、孤獨こどく宗助そうすけ二人ふたりつてはなし出來できるのは、御米およねにさへめうえる現象げんしやうであつた。坂井さかゐ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
孤獨こどくしもよけの花檀くわだんきくか、だけ後見うしろみともいふべきは、大名だいみやう家老職かろうしよく背負せおをてたちし用人ようにんの、何之進なにのしん形見かたみせがれ松野雪三まつのせつざうとてとし三十五六、おやゆづりの忠魂ちうこんみがきそへて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
例へば鰥寡くわんくわ孤獨こどくを憐れみ、孝子節婦を賞するが如し。
帝室論 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
天地間てんちかんぼくにんとりかず。ぼくしばらく絶頂ぜつちやういしつてた。このときこひもなければ失戀しつれんもない、たゞ悽愴せいさうかんえず、我生わがせい孤獨こどくかざるをなかつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ひさしぶりで孤獨こどく生活せいくわつつてる、これも病氣びやうきのおかげかもれない。色々いろ/\なことをかんがへてひさしぶりで自己じこ存在そんざい自覺じかくしたやうながする。これはまつた孤獨こどくのおかげだらうとおもふ。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)