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合力
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ごうりき
ふりがな文庫
“
合力
(
ごうりき
)” の例文
「ああさようでござるか。では、
六刻
(
むつ
)
過ぎに出なおしてお訪ね下さい。その
御人
(
ごじん
)
は、今朝から市中へ
合力
(
ごうりき
)
に出ておられます」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また動坂三郎は動坂三郎で「乾分たちへの見せしめもあることだから、気の毒ながら裏切り者の妹へ
合力
(
ごうりき
)
をするのは困る」
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
このジャンとピエールとは初めの間は
市場
(
いちば
)
などに行って、あわれな声を出して自分のかたわを売りものにして一銭二銭の
合力
(
ごうりき
)
を願っていましたが
かたわ者
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
お玉の内へも或る日
印絆纏
(
しるしばんてん
)
を裏返して着た三十前後の男が来て、
下総
(
しもうさ
)
のもので国へ帰るのだが、足を傷めて歩かれぬから、
合力
(
ごうりき
)
をしてくれと云った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
決してその好意に
縋
(
すが
)
ろうとはせず、
謂
(
い
)
われなく人の
合力
(
ごうりき
)
を求めるのは
嫌
(
いや
)
であると云う、
矜恃
(
きょうじ
)
を持っているかに見えた。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
北条三代記に「風摩小太郎、乱破四百人を扶持す」とあるが、領主だから
合力
(
ごうりき
)
したのではなく、勝頼のやりかたが不服だったというだけのことにすぎない。
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そこで彼等はまず神田の
裏町
(
うらまち
)
に仮の宿を定めてから
甚太夫
(
じんだゆう
)
は怪しい
謡
(
うたい
)
を唱って
合力
(
ごうりき
)
を請う浪人になり、
求馬
(
もとめ
)
は
小間物
(
こまもの
)
の箱を
背負
(
せお
)
って
町家
(
ちょうか
)
を廻る
商人
(
あきゅうど
)
に化け
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
長州の
木戸孝允
(
きどたかよし
)
のごとき人はそれを言って、西郷ありてこそ自分らも
薩摩
(
さつま
)
と
合力
(
ごうりき
)
し、いささか維新の盛時にも遭遇したものであるのに、と
地団駄
(
じだんだ
)
を踏んだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
非道にて所持の金銭並に開港以来貪り取る口銭広大の金高につき、今般残らず下賤困窮人共に
合力
(
ごうりき
)
の為配当つかはし申すべし、若し慾情に迷ひ其儘捨て置かば
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
十人が十人とも義に勇んであのいそがしい年末の一夜、十両の
合力
(
ごうりき
)
を気前よく引受けたのだ、誰をも疑うわけに行かぬ、下手な事を言い出したら町内の大騒動
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自分は、も少しの事で、手を合せて、見ず知らずの
飯場頭
(
はんばがしら
)
からわずかの
合力
(
ごうりき
)
を仰ぐところであった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俺はまだこの年になれど
他
(
ひと
)
に藁一筋の
合力
(
ごうりき
)
を願った覚えのないものだ、だから、
鐚
(
びた
)
一文でも他に遣るのは胸糞が悪くてとても出来ない、こういうことはやはり、太郎作、次郎兵衛のような
厄払い
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いや、私と
各務采女
(
かがみうねめ
)
とに、二十人
扶持
(
ぶち
)
ずつの増し御
合力
(
ごうりき
)
がございました。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ある日わたしはいつものように、縄張りの
諸家様
(
しょけさま
)
を廻り、
合力
(
ごうりき
)
を受け、夕方帰路につきました。鳥にだって寝倉がありますように、乞食にだって巣はございますので。
瓦町
(
かわらまち
)
の方へ歩いて行きました。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
北平
(
ほくへい
)
の
公孫瓚
(
こうそんさん
)
と国境の争いを起したによって、兵糧不足し、軍兵も足りないから、
合力
(
ごうりき
)
してくれまいか——という申入れだ。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千人にもあまる乱破の結束が大炊介を
陰
(
かげ
)
の大将にし、当人の好むと好まぬにかかわらず、日毎、
実誼
(
じつぎ
)
な
合力
(
ごうりき
)
をしていると知ったら、心の慢った蘆屋道益でも
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
売卜
(
ばいぼく
)
をしたりして露命を行人の
合力
(
ごうりき
)
によって繋ぎつつ、また来ん春を待つといった在来の型の浪人姿が、一心に釣を垂れているだけの平凡な光景でありました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
せっぱつまるとそのひとたちから
合力
(
ごうりき
)
を得て、その大半は酒にして、春の桜も秋の紅葉も何が何やら、見えぬ聞えぬ無我夢中の極貧の火の車のその日暮しを続けていた。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
(いずれも、故主の遺臣、柴田どのへも
与
(
くみ
)
し難く、羽柴どのへも
合力
(
ごうりき
)
いたしかねる。それがしには、三法師君あるのみ)
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「へ、へ、お嬢様、わっしはこう見えても盗人に来たんじゃごわせん、お嬢様をお見かけ申して少々
合力
(
ごうりき
)
にあずかりてえとこう思いましてな——それをひとつ聞いていただかなけりゃなりません」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それについて、柳生家もこの際できるかぎりの、兵員を至急ととのえ、関東軍の出向うまでに、その戦場へ駈けつけて
合力
(
ごうりき
)
するように——とのことだった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よい音色じゃ、
合力
(
ごうりき
)
をしてやれ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「自分は兵法執心の者である。敢えて、勝負ばかりを事としたり、虚名を追ったり、旅銭と称する
合力
(
ごうりき
)
など求めて歩く
類
(
たぐい
)
の者と、同視されたくないのでいうが——」
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうよ、
合力
(
ごうりき
)
してやろうと思って、せっかく人が呼んでいるのに、なんですぐに待たねえんだ」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたくしは先ずその発議者として、自分の蔵は
開
(
あ
)
け放ちます。どうか方々にも、
合力
(
ごうりき
)
を惜しまれず、こよいのうち二万金を作って、船出していただきたいのでございます。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が一度は
扶持
(
ふち
)
をうけて
合力
(
ごうりき
)
もした松永久秀は亡び、続いて、足利
義昭
(
よしあき
)
も滅亡を遂げている。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当座の小遣銭を
合力
(
ごうりき
)
しておくんなさいな……、恥を話すようだけれど、
路銀
(
ろぎん
)
はみんなお米のやつが持っていたので、今朝からまだ一粒の御飯も腹に入っていねえありさまなんだ
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、実は早速、一
月寺
(
げつじ
)
の方へ伺いましたところ、今日は
合力
(
ごうりき
)
に出ていてお留守だという話。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
合力
(
ごうりき
)
を乞うふりをして、そこへ泊まれば様子がわかるが、もし、合力をうけに行くのは気まずいと思うなら、わしが、その男を知っている知人から、添え状を書いて貰っておく。
八寒道中
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「一紙半銭のご奉加も、今の文覚には、かたじけない。路傍にさけんでも、人は、耳をかさず、院の御所へ、
合力
(
ごうりき
)
をとて願いに参れば、犬でも、来たかのように、つまみ出される……」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
有るのは、旧藩の江戸
詰
(
づめ
)
の
知辺
(
しるべ
)
だが、
故郷元
(
くにもと
)
を追われたおれ達夫婦の事情を知っている奴等が、一両の
合力
(
ごうりき
)
もしてくれる筈はなし——又そんな所へ
恥曝
(
はじさら
)
しをして迄、出世に
偓促
(
あくせく
)
したくもない。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
家康
(
いえやす
)
どのからもご
領地
(
りょうち
)
の
巨木
(
きょぼく
)
や
人夫
(
にんぷ
)
、おびただしい
合力
(
ごうりき
)
でございます」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どう仰せられても、面目はございません」と、李成は沓を拾って捧げながら——「このうえは、再度の
早飛脚
(
はやびきゃく
)
で朝廷のご急援を切に仰ぐこと。——次には、近くの各県に
合力
(
ごうりき
)
を
下知
(
げち
)
せられること。 ...
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
郷土
(
ごうど
)
の人たちのことばは
温
(
あたた
)
かく、わずかな
金
(
かね
)
をさいて
合力
(
ごうりき
)
したり、
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
をとって
茶
(
ちゃ
)
をついでくれたりして、なぐさめてくれているうちに、いつか話がそれて、だれも気がつかないすきまだった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうです。——
合力
(
ごうりき
)
なれば
厨
(
くりや
)
のほうへおまわりなさい」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
力
常用漢字
小1
部首:⼒
2画
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