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其筈
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そのはず
ふりがな文庫
“
其筈
(
そのはず
)” の例文
其筈
(
そのはず
)
で、後に聞くと
亜米利加
(
アメリカ
)
人だったが、私の額に手をあてたり、脈膊を数えたりして、やがて角砂糖にコンニャックをそそいで、口に含ませてくれた。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
はてな、聞いたやうな声だと思つて、考へて見ると、
其筈
(
そのはず
)
さ——僕の
阿爺
(
おやぢ
)
の声なんだもの。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それも
其筈
(
そのはず
)
昔
(
むか
)
しをくれば
系圖
(
けいづ
)
の
卷
(
まき
)
のこと
長
(
なが
)
けれど、
徳川
(
とくがは
)
の
流
(
なが
)
れ
末
(
すゑ
)
つかた
波
(
なみ
)
まだ
立
(
た
)
たぬ
江戸時代
(
えどじだい
)
に、
御用
(
ごよう
)
お
側
(
そば
)
お
取次
(
とりつぎ
)
と
長銘
(
ながめい
)
うつて、
席
(
せき
)
を八
萬
(
まん
)
騎
(
ぎ
)
の
上坐
(
じやうざ
)
に
占
(
し
)
めし
青柳右京
(
あをやぎうきやう
)
が
三世
(
さんぜ
)
の
孫
(
まご
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先生のみか
世人
(
よのひと
)
を
驚
(
おどろ
)
かすも
安
(
やす
)
かるべしと、
門外
(
もんぐわい
)
に
躊躇
(
ちうちよ
)
してつひに
入
(
い
)
らず、
道
(
みち
)
引
(
ひき
)
かへて百
花園
(
くわゑん
)
へと
赴
(
おもむ
)
きぬ、
新
(
しん
)
梅屋敷
(
うめやしき
)
百
花園
(
くわゑん
)
は梅の
盛
(
さか
)
りなり、
御大祭日
(
ごたいさいび
)
なれば
群集
(
ぐんしふ
)
も
其筈
(
そのはず
)
の
事
(
こと
)
ながら
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
夫
(
それ
)
も
其筈
(
そのはず
)
一方のは横綱用の刷毛、一方はお客に使ふ素人用の刷毛だ。膚の触り具合から考へて
此
(
この
)
硬い/\刷毛を平気で受ける大錦君の皮膚は少くとも馬より丈夫で無ければならない。
相撲の稽古
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
▼ もっと見る
聞けば
又
(
ま
)
た戦争とか始まるさうで、
私
(
わし
)
の村からも三四人急に召し上げられましたが、兵隊に取られるものに限つて、貧乏人で御座りますよ、成程
其筈
(
そのはず
)
で、年中働いて居るので
身体
(
からだ
)
が丈夫
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
知つて居る樣子何れ
譯
(
わけ
)
のあることならんと云ふ半四郎は
聞
(
きゝ
)
て夫は
其筈
(
そのはず
)
なり某し先年國へ歸る時東海道
戸塚
(
とつか
)
の
燒餠坂
(
やきもちざか
)
より
彼奴
(
きやつ
)
が
道連
(
みちづれ
)
になりし處其夜三島の宿へ泊りしに拙者の
寢息
(
ねいき
)
を考へ
胴卷
(
どうまき
)
の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
叔母が
斯様
(
こん
)
な昔の
心地
(
こゝろもち
)
に帰つたは近頃無いことで——それも
其筈
(
そのはず
)
、姫子沢の百姓とは違つて気恥しい珍客——しかも
突然
(
だしぬけ
)
に——昔者の叔母は、だから、自分で茶を汲む手の慄へに心付いた程。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
取次
(
とりつ
)
ぐ
母
(
はゝ
)
が
詞
(
ことば
)
も
待
(
ま
)
たず
儀右衞門
(
ぎゑもん
)
冷笑
(
あざわら
)
つて
聞
(
き
)
かんともせずさりとは
口賢
(
くちがしこ
)
くさま/″\の
事
(
こと
)
がいへたものかな
父親
(
てゝおや
)
に
薫陶
(
しこま
)
れては
其筈
(
そのはず
)
の
事
(
こと
)
ながらもう
其手
(
そのて
)
に
乘
(
の
)
りはせぬぞよ
餘計
(
よけい
)
な
口
(
くち
)
に
風引
(
かぜひ
)
かさんより
早
(
はや
)
く
歸宅
(
きたく
)
くさるゝが
宜
(
よ
)
さゝうなもの
誠
(
まこと
)
と
思
(
おも
)
ひて
聞
(
き
)
くものは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
筈
漢検準1級
部首:⽵
12画
“其”で始まる語句
其
其処
其方
其處
其様
其許
其奴
其所
其儘
其後