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にふゐん
然しその
時の
周圍の
事情は、
病人をK
氏の
家に
臥かして
置く
事を
許さないので、
直ぐに
何處へか
入院させなければならなかつた。
無論蓋はして
有るが
往來へ
飛出されても
難儀至極なり、
夫等を
思ふと
入院させやうとも
思ふが
何かふびんらしくて
心一つには
定めかねるて
年紀は
少し……
許嫁か、
何か、
身に
替へて
思ふ
人でも、
入院して
居て、
療治が
屆かなかつた
所から、
無理とは
知つても、
世間には
愚癡から
起る、
人怨み。
新しい
人の
顏は六
號室では
絶えて
見ぬ。
院長アンドレイ、エヒミチは
新な
瘋癲患者はもう
疾くより
入院せしめぬから。
又誰とて
這麼瘋癲者の
室に
參觀に
來る
者も
無いから。
だが、
入院するとしても、
誰一人入院料などを
持合してゐる
筈がないので、
施療患者を
扱ふ
病院へ
入れるより
仕方がなかつた。
一
統計年度に
於て、一萬二千
人の
患者を
受けたとすれば、
即ち一萬二千
人は
欺かれたのである。
重い
患者を
病院に
入院させて、
其れを
學問の
規則に
從つて
治療する
事は
出來ぬ。
そのうちにも、
病人の
容態は、
刻々險惡になつてゆくので、たうとう、そこから
餘り
遠くない、
府下××
村のH
病院へ
入院させるより
仕方がなくなつた。