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はげあたま
ふりがな文庫
“
兀頭
(
はげあたま
)” の例文
黒服の
親仁
(
とっさん
)
は、すっぽりと
中
(
ちゅう
)
山高を脱ぐ。
兀頭
(
はげあたま
)
で、太い
頸
(
くび
)
に
横皺
(
よこじわ
)
がある。
尻
(
けつ
)
で、閣翁を突くがごとくにして、銅像に一拝すると
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
角の質屋の旦那どのが御年始着だからとて針を取れば、吉はふふんと言つてあの
兀頭
(
はげあたま
)
には惜しい物だ、
御初穂
(
おはつう
)
を
我
(
お
)
れでも着て
遣
(
や
)
らうかと言へば
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「好い朝ですな」と、プリスタフは云つて、帽を脱いで、愉快気に
兀頭
(
はげあたま
)
を涼しい風に吹かせた。そして愉快気に云つた。
死
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
と誇らしげに云って、ハッと
兀頭
(
はげあたま
)
が復び下げられたのに、年若者だけ淡い満足を感じたか機嫌が好く
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
柄杓とともに、助手を投出すと
斉
(
ひと
)
しく、俊明先生の
兀頭
(
はげあたま
)
は皿のまわるがごとく
向
(
むき
)
かわって、
漂泊
(
さすらい
)
の男女の上に
押被
(
おっかぶ
)
さった。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
今日は何が
何箇
(
いくつ
)
あるまで知つているのは恐らく己れの外には有るまい、質屋の
兀頭
(
はげあたま
)
めお京さんに首つたけで
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
思いよらぬ
蛤
(
はまぐり
)
の吸物から真珠を拾い出すと云う
諺
(
ことわざ
)
があるわ、腹を広く持て、コレ若いの、恋は
他
(
ほか
)
にもある者を、と
詞
(
ことば
)
おかしく、
兀頭
(
はげあたま
)
の
脳漿
(
のうみそ
)
から
天保度
(
てんぽうど
)
の
浮気論主意書
(
うわきろんしゅいがき
)
という所を
引抽
(
ひきぬ
)
き
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
よう、という
顔色
(
かおつき
)
にて、
兀頭
(
はげあたま
)
の古帽を取って高く挙げ、
皺
(
しわ
)
だらけにて、ボタン二つ離れたる洋服の胸を反らす。太きニッケル製の時計の
紐
(
ひも
)
がだらりとあり。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日
(
けふ
)
は
何
(
なに
)
が
何箇
(
いくつ
)
あるまで
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るのは
恐
(
おそ
)
らく
己
(
お
)
れの
外
(
ほか
)
には
有
(
あ
)
るまい、
質屋
(
しちや
)
の
兀頭
(
はげあたま
)
めお
京
(
きやう
)
さんに
首
(
くび
)
つたけで
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
屈託無げにはしているが
福々爺
(
ふくふくや
)
の方は
法体
(
ほったい
)
同様の大きな艶々した
前
(
まえ
)
兀頭
(
はげあたま
)
の中で何か考えているのだろう、にこやかには繕っているが、其眼はジッと女の下げている
頭
(
かしら
)
を
射透
(
いすか
)
すように見守っている。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
吉
(
きち
)
はふゝんと
言
(
い
)
つて
彼
(
あ
)
の
兀頭
(
はげあたま
)
には
惜
(
を
)
しい
物
(
もの
)
だ、
御初穗
(
おはつう
)
を
己
(
お
)
れでも
着
(
き
)
て
遣
(
や
)
らうかと
言
(
い
)
へば、
馬鹿
(
ばか
)
をお
言
(
い
)
ひでない
人
(
ひと
)
のお
初穗
(
はつう
)
を
着
(
き
)
ると
出世
(
しゆつせ
)
が
出來
(
でき
)
ないと
言
(
い
)
ふではないか
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
前々から、ちゃら金が、ちょいちょい来ては、昼間の
廻燈籠
(
まわりどうろう
)
のように、二階だの、
濡縁
(
ぬれえん
)
だの、薄羽織と、
兀頭
(
はげあたま
)
をちらちらさして、ひそひそと相談をしていましたっけ。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
胡麻塩
(
ごましお
)
の
兀頭
(
はげあたま
)
、見るから仏になってるのは佃町のはずれに
独住居
(
ひとりずまい
)
の、七兵衛という
親仁
(
おやじ
)
である。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は今夜中に此れ
一枚
(
ひとつ
)
を上げねば成らぬ、角の質屋の旦那どのが御年始着だからとて針を取れば、吉はふゝんと言つて彼の
兀頭
(
はげあたま
)
には惜しい物だ、
御初穗
(
おはつう
)
を
我
(
お
)
れでも着て遣らうかと言へば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
(旅のものだ、いつでもというわけには行かない。夜を掛けても女を稼ごう。)——厚かましいわ。
蟒
(
うわばみ
)
に呑まれたそうに、
兀頭
(
はげあたま
)
をさきへ振って、ひょろひょろ丘の奥へ入りました。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年倍
(
としばい
)
なる
兀頭
(
はげあたま
)
は、
紐
(
ひも
)
のついた
大
(
おおき
)
な
蝦蟇口
(
がまぐち
)
を
突込
(
つッこ
)
んだ、
布袋腹
(
ほていばら
)
に、
褌
(
ふどし
)
のあからさまな前はだけで、土地で売る雪を切った氷を、
手拭
(
てぬぐい
)
にくるんで
南瓜
(
とうなす
)
かぶりに、
頤
(
あご
)
を締めて、やっぱり
洋傘
(
こうもり
)
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大粒な
雫
(
しずく
)
は、また実際、
斜
(
ななめ
)
とも謂わず、
直
(
すぐ
)
ともいわず、矢玉のように飛び込むので、かの
兀頭
(
はげあたま
)
の小男は
先刻
(
さっき
)
から人知れず愛吉の話に
聞惚
(
ききと
)
れて、ひたすら
俯向
(
うつむ
)
いて額をおさえているのであったが
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「やあ、」と声を懸けたのは、
件
(
くだん
)
の
兀頭
(
はげあたま
)
の小男であった。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“兀頭”の意味
《名詞》
禿げた頭。
(出典:Wiktionary)
兀
漢検1級
部首:⼉
3画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“兀”で始まる語句
兀
兀々
兀鷹
兀坐
兀然
兀立
兀山
兀突骨
兀峰
兀斑