交際こうさい)” の例文
この先生せんせいもどちらかといえば、あまりひと交際こうさいをしない変人へんじんでありましたが、こんなことから、となりおとこはなしをするようになりました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしこれはきたはなしとか、交際こうさいとかとうものとはまたべつで、あま適切てきせつれいではありませんが、たとえば書物しょもつはノタで、談話だんわ唱歌しょうかでしょう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しまいには、訪問者の顔を見れば、絵をぬすみに来たのではないかとうたがいだして、正直な村の人たちとも、交際こうさいをしないようになってしまいました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
予はただ一箇人いっこじんとして四十余年、先生との交際こうさい及び先生より受けたる親愛しんあい恩情おんじょう一斑いっぱんしるし、いささか老後ろうごおもいなぐさめ、またこれを子孫にしめさんとするのみ。
用も十分に足りていくので、自分が出懸けねばならぬところがあっても、伊之やおめえ往って来てくんねえな、と代理をさせるのでます/\交際こうさいはひろくなり
うちの人の身分がくなり、交際こうさいが上って来るにつけ、わたしが足らぬ、つり合い足らぬと他の人達に思われ云われはせぬかという女気おんなぎの案じがなくも無いので
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ついで英露仏等の諸国も来りて新条約の仲間入なかまいりしたれども、その目的は他に非ず、日本との交際こうさいあたかも当時の流行りゅうこうにして、ただその流行にれて条約を結びたるのみ。
それ以前いぜんから、安藤あんどう某学校ぼうがっこう学費がくひまで補助ほじょしてもらい、無二むに親友しんゆうとして交際こうさいしておったのだが、安藤がいまの会社へはいって二年めの春、母なる人がなくなり
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
これらの子供たちの交際こうさいを見ていると、実に愉快そうだが、心配な面もないことはない。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
そして、雑誌ざっしやおかめどんぐりよりも、まだらない、とお田舎いなかと、まちとで、おたがいに、交際こうさいするのが、とてもうれしかったのであります。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひと交際こうさいすることはかれいたってこのんでいたが、その神経質しんけいしつな、刺激しげきされやす性質せいしつなるがゆえに、みずかつとめてたれとも交際こうさいせず、したがってまた親友しんゆうをもたぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
小栗上野介おぐりこうずけのすけ全盛ぜんせいの当時、常に政府にちかづきたるは仏国公使レオン・ロセツにして、小栗及び栗本鋤雲くりもとじょうん等ともしたしく交際こうさいし政府のために種々のさくを建てたる中にも
その無断むだんで安藤の家をでて、以前交際こうさいした家にちちしぼりをしておった。ようやく見つけてたずねていくと、いつのまにかいなくなる。また見つけだしてたずねると、またいなくなる。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
こういう人間にんげんをば、世間せけんは、いつまでもらぬかおをしておきませんでした。みんなは、だんだんそのおとこをきらいました。そのおとこ交際こうさいすることをけました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だいつうじて寡作かさくでありましたうえに、名利みょうりというようなことは、すこしもかんがえなかったひとでしたから、べつに交際こうさいをしたひとすくなく、いい作品さくひんができたときは
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)