“突出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つきだ57.7%
つきで9.9%
とっしゅつ8.1%
つきいだ6.3%
つきだし6.3%
とつしゆつ4.5%
つきい3.6%
つんだ1.8%
つきいで0.9%
でしやば0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、肩幅広く、塘堤どてぶちへあらはれた。立女形たておやまが出たから、心得たのであらう、船頭め、かんてらのを、其の胸のあたりへ突出つきだした。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ると、うしたことかさ、いまいふそのひのきぢやが、其処そこらになんにもないみち横截よこぎつて見果みはてのつかぬ田圃たんぼ中空なかそらにじのやうに突出つきでる、見事みごとな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「畏まって候」とばかり、張遼の五百余騎は前に立ち、郝萌はうしろに備えて、飛龍の勢目せいもくを形づくり、城門をひらいて突出とっしゅつした。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前にして遠く房總ばうそうの山々をのぞみ南は羽田はねだみさき海上かいじやう突出つきいだし北は芝浦しばうらより淺草の堂塔迄だうたふまではるかに見渡し凡そ妓樓あそびやあるにして此絶景ぜつけい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三代目小稲と称していたのは前の小稲の突出つきだし右近である。香以は玄魚と魯文との相方あいかたを極めさせ、自分は有中、米八を連れて辞し去った。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
此學校このがつこう敷地しきちは、數年前すうねんぜん水田すいでん埋立うめたてゝつくられたものであつて、南北なんぼくなが水田すいでん一區域いちくいきなかに、半島はんとうかたちをなして西にしからひがし突出とつしゆつしてゐた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
我見しに、山より突出つきいでて路を成せるかの處みなまた斯の如く、かたちをもて飾られき、されどわざにいたりては巧みなることその比に非ず 二二—二四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「そうれお前等めえらえでんのにそんな小鉢こばちなんぞをけうへ突出つんださせちやへねえな、それだらだらツらあ、柄杓ひしやくそつちへおんしてるもんだ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
城下より来たりて源叔父の舟頼まんものは海に突出つきいでいわに腰を掛けしことしばしばなり、今は火薬の力もてあやうき崖も裂かれたれど。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
卑劣いやしい根性を持つて、可厭いやひがんだやうなことばかり言ふものが、下等人種で無くて君、何だらう。下手に社会へ突出でしやばらうなんて、其様な思想かんがへを起すのは、第一大間違さ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)