“突出(つきい)” の例文
我見しに、山より突出(つきい)でて路を成せるかの處みなまた斯の如く、象(かたち)をもて飾られき、されど技(わざ)にいたりては巧みなることその比に非ず 二二—二四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
巌角(いわ)の突出(つきい)で巌石(がんせき)の砕けて一面に転(ころ)ばっている坂道は、草鞋(わらじ)の底を破って足の裏の痛きこと夥(おびただ)しく、折から雲霧は山腹を包んで、雨はザアザア降って来れば
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
お春を召して酒を取寄せ、己(おの)が両手に滴(したゝ)らしては、お村の腹に塗り、背に塗り、全身余さず酒漬(さけびたし)にして、其まゝ庭に突出(つきい)だし、竹藪の中に投入れて、虫責(むしぜめ)にこそしたりけれ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山懐(やまふところ)のところどころ、一帯に産出する蜜柑(みかん)の林に射入(さしい)る旭(あさひ)に、金色(こんじき)の露暖かなれど、岩の衝(つ)と突出(つきい)でた海の上に臨んでは、路(みち)の下を掻(か)い潜(くぐ)って、崖の尾花を越す浪に、有明月の影の砕くる
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)