“とっしゅつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
突出64.3%
凸出35.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ようようにしてかれらは、左門洞百五十メートルくらいの地点にきた、しかし左門洞には、まだ突出とっしゅつした岩壁がんぺきをまわらねばならないのである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
彼方の岸の突出とっしゅつした部分には、この森での唯一の例外として、数本の椿つばきの老樹が、各々おのおの一丈ばかりもある濃緑の肌に、点々と血をにじませて夥多の花を開いています。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すなわち、前面が凸出とっしゅつする点の速度が減じ、凹入おうにゅうした点の速度が増し、かくして自動的に調節が行なわれ、その結果として始めて円形が保たれるものと思われる。
自然界の縞模様 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
右から来る矢をカワすべくくびを左へじた途端に、矢は顔の右半面をさっとかすって、そこに凸出とっしゅつしていた肉片の幾分と軟骨とを、———つまり、彼の右の耳朶みゝたぼを、———さらって行った。