“やまいぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狂犬52.4%
病犬26.2%
4.8%
山犬4.8%
山狗4.8%
山狼4.8%
無神狗2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いったい、この村のやつらが悪い、あんな性質たちの悪い狂犬やまいぬを放し飼いにしておくのがよろしくねえ、叩き殺してしまやがりゃいいんだ」
「あのとりはどうしたのでしょうね」と、庄太は云い出した。「犬にゃあ病犬やまいぬというものがあるが、鶏にゃあ珍らしい」
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
近くの壁画を見れば、やまいぬわに青鷺あおさぎなどの奇怪きかいな動物の頭をつけた神々の憂鬱ゆううつな行列である。顔もどうもないおおきなウチャトが一つ、細長い足と手とをやして、その行列に加わっている。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
とうさんはこのきな老人らうじんから、はたけよりあらはれたたぬきむじなはなしやましたきじはなし、それから奧山おくやまはうむといふおそろしいおほかみ山犬やまいぬはなしなぞをきましたが、そのうちにねむくなつて
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
兩名りやうめい炭燒すみやきが、同一おなじ雪籠ゆきごめつてふうめられたやうになり、二日ふつか三日みつか貯蓄たくはへもあつたが、四日目よつかめから、あは一粒ひとつぶくちにしないで、くまごと荒漢等あらをのこら山狗やまいぬかとばかりおとろへ、ひからせて
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けふもけふとて、ぐでんぐでんに御亭主ごていしゆ醉拂よつぱらへてかへつてると、おかみさんが山狼やまいぬのやうなつらをしててました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「無礼なり何奴なにやつなれば、われを野良犬とののしるぞ」「無礼なりとはなんじが事なり。わが飼主の打取りたまひし、雉子きぎすを爾盗まんとするは、言語に断えし無神狗やまいぬかな」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
... かれ頃日このごろはわれなずみて、いと忠実まめやかかしずけば、そを無残に殺さんこと、情も知らぬ無神狗やまいぬなら知らず、かりにも義を知るわがともがらの、すに忍びぬ処ならずや」「まことに御身がいふ如く、 ...
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)