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きょうたん
ふりがな文庫
“
驚嘆
(
きょうたん
)” の例文
もうわたしもおとぎ話にある
若
(
わか
)
いはつかねずみのように、見るもの聞くものが
驚嘆
(
きょうたん
)
や
恐怖
(
きょうふ
)
の
種
(
たね
)
になるというようなことはなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
よもや、
新参
(
しんざん
)
の
民蔵
(
たみぞう
)
が、その人の一
子
(
し
)
、
民部
(
みんぶ
)
であろうとは、
夢
(
ゆめ
)
にも知らない
梅雪入道
(
ばいせつにゅうどう
)
、おもわず
驚嘆
(
きょうたん
)
の声をもらしてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「茨城県磯崎に『
狼
(
ウルフ
)
』の巣を見付け出したのは、何といっても
驚嘆
(
きょうたん
)
すべきお手柄だ」草津大尉は、前方を注視しながら、
独言
(
ひとりごと
)
のように云った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
マードック先生のわれら日本人に対する態度はあたかも動物学者が突然青く変化した虫に対すると同様の
驚嘆
(
きょうたん
)
である。
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
保吉はいつか粟野さんの Asino ——ではなかったかも知れない、が、とにかくそんな名前の
伊太利
(
イタリイ
)
語の本を読んでいるのに少からず
驚嘆
(
きょうたん
)
した。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
は
今更
(
いまさら
)
ながら
生死
(
せいし
)
の
境
(
さかい
)
を
越
(
こ
)
えて、
少
(
すこ
)
しも
変
(
かわ
)
っていない
良人
(
おっと
)
の
姿
(
すがた
)
に
驚嘆
(
きょうたん
)
の
眼
(
め
)
を
見張
(
みは
)
らずにはいられませんでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それはそうと私は世間の人間には全く
驚嘆
(
きょうたん
)
のほかはない。みんな一人の例外もなく生活しているのだ。
動物園の一夜
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
こうなると大衆はだんだん
黙
(
だま
)
ってしまって、ただただ
驚嘆
(
きょうたん
)
の眼を
瞠
(
みは
)
るのです。にっこりと笑った三要は
払子
(
ほっす
)
を打って法戦終結を告げ、勝負は強いて言わずに、次の言葉を発しました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
農民四、五(
驚嘆
(
きょうたん
)
す)この人ぁ医者ばかりだなぃ。
八卦
(
はっけ
)
も置ぐようだじゃ。
植物医師:郷土喜劇
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
公平無私な
官吏
(
かんり
)
や
苛斂誅求
(
かれんちゅうきゅう
)
を事とせぬ政治家の
皆無
(
かいむ
)
だった当時のこととて、孔子の公正な方針と周到な計画とはごく短い期間に
驚異的
(
きょういてき
)
な治績を挙げた。すっかり
驚嘆
(
きょうたん
)
した主君の定公が問うた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それは、あくまでも私の生活を通して見た大作曲家で、私の
抱懐
(
ほうかい
)
する尊崇と、愛着と、
驚嘆
(
きょうたん
)
と、そして時には少しばかりの批判とを、なんの
蔽
(
おお
)
うところもなく、思うがままに書き連ねたものである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
その
花容
(
かよう
)
、
花色
(
かしょく
)
すこぶる多様で、紅色、紫色、
白色
(
はくしょく
)
、黄色などのものがあり、また
一重咲
(
ひとえざ
)
き、
八重咲
(
やえざ
)
きもあって、その
満開
(
まんかい
)
を望むと
吾人
(
ごじん
)
はいつも、その花の
偉容
(
いよう
)
、その花の
華麗
(
かれい
)
に
驚嘆
(
きょうたん
)
を禁じ得ない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
三人は芝生に立って、
驚嘆
(
きょうたん
)
の眼を
瞪
(
みは
)
って斯
夥
(
おびただ
)
しい雨雲の活動を見た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかし、こうなるとかれもまた、
意地
(
いじ
)
でも
見物
(
けんぶつ
)
をあッと
驚嘆
(
きょうたん
)
させてやらなければしゃくである。第一、この
水独楽
(
みずごま
)
がまわらないというわけはない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ケンが恐竜島の探検談を一席やる、僕がつづいて島の生活について語る。そして映画についての説明をする。人々はただ
驚嘆
(
きょうたん
)
のうちに僕らの行動をたたえるだろう。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
煙客翁
(
えんかくおう
)
はその
画
(
え
)
を一目見ると、思わず
驚嘆
(
きょうたん
)
の声を洩らしました。
秋山図
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
マチアは
驚嘆
(
きょうたん
)
していた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
言う者も聞く者も、ともに不思議な出来事に、
驚嘆
(
きょうたん
)
の連発であったが、これこそ不連続線のなせる
悪戯
(
いたずら
)
であったとは、後に「火の玉」少尉が元気を回復してからの
種明
(
たねあか
)
しであった。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それが、いかにおどろくべきことであったかは、すぐ聞いている竹童の目の玉にあらわれて、あるいは
驚嘆
(
きょうたん
)
、あるいは
壮感
(
そうかん
)
、あるいは
危惧
(
きぐ
)
の色となり、せわしなく、
瞳
(
ひとみ
)
をクルクル廻転させた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今更ながら、博士の学問の深く
且
(
か
)
つ大きいことについては
驚嘆
(
きょうたん
)
の
外
(
ほか
)
ありません。どうかわが国を救っていただきたい。九十九
路
(
ろ
)
は
尽
(
つ
)
き、ただ残る一路は金博士に依存する次第である。
地軸作戦:――金博士シリーズ・9――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いやもう実に
迅速
(
じんそく
)
も迅速、われら凡人どもには、一代でも到底成し
能
(
あた
)
うまいと思われることを、ここわずかな
年月
(
としつき
)
によくもやり通して来られたものと、われら家臣どもも
驚嘆
(
きょうたん
)
しているほどなのだ。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
卓子
(
テーブル
)
に並べられた大皿を見て、博士はまず
驚嘆
(
きょうたん
)
の声を放った。そうでもあろう。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
生れたての
嬰
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
のように、彼のひとみは
驚嘆
(
きょうたん
)
して、この世の美に打たれている。知らず識らず
眦
(
まなじり
)
から涙がながれて止まらない。涙は耳の穴をもこそぐった。この
知覚
(
ちかく
)
さえ生きている
証拠
(
しょうこ
)
ではないか。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それからのちの、アンの働きぶりは、
驚嘆
(
きょうたん
)
に
値
(
あたい
)
するものがあった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
髯男は、
六
(
むず
)
ヶ
敷
(
し
)
い数学解法を発見でもしたかのように、
驚嘆
(
きょうたん
)
した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“驚嘆”の意味
《名詞》
驚嘆(きょうたん)
驚き、感心すること。
(出典:Wiktionary)
驚
常用漢字
中学
部首:⾺
22画
嘆
常用漢字
中学
部首:⼝
13画
“驚嘆”で始まる語句
驚嘆的