“煙客翁”の読み方と例文
読み方割合
えんかくおう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
元宰先生げんさいせんせい董其昌とうきしょう)が在世中ざいせいちゅうのことです。ある年の秋先生は、煙客翁えんかくおうと画論をしている内に、ふと翁に、黄一峯こういっぽうの秋山図を見たかと尋ねました。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その内にふと耳にはいったのは、貴戚きせき王氏おうしが秋山図を手に入れたといううわさです。そういえばわたしが遊歴中、煙客翁えんかくおうの書を見せた人には、王氏を知っているものもまじっていました。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、どうしても忘れられないのは、あの眼も覚めるような秋山図しゅうざんずです。実際大癡たいち法燈ほうとうを継いだ煙客翁えんかくおうの身になって見れば、何を捨ててもあれだけは、手に入れたいと思ったでしょう。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)