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額際
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ひたひぎは
ふりがな文庫
“
額際
(
ひたひぎは
)” の例文
御酒
(
ごしゆ
)
をめし
上
(
あが
)
つたからとて
快
(
こゝろよく
)
くお
醉
(
ゑ
)
ひになるのではなく、いつも
蒼
(
あを
)
ざめた
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして、
何時
(
いつ
)
も
額際
(
ひたひぎは
)
に
青
(
あを
)
い
筋
(
すぢ
)
が
顯
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
りました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
広間の
燈影
(
ひかげ
)
は入口に立てる
三人
(
みたり
)
の姿を
鮮
(
あざや
)
かに照せり。色白の
小
(
ちひさ
)
き内儀の口は
疳
(
かん
)
の為に
引歪
(
ひきゆが
)
みて、その夫の
額際
(
ひたひぎは
)
より
赭禿
(
あかは
)
げたる
頭顱
(
つむり
)
は
滑
(
なめら
)
かに光れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
よくあるやつさといひ度さうな、
興
(
きよう
)
の乘らない相手の態度には頓着無く、
額際
(
ひたひぎは
)
を汗ばませて喋つた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
けれども
長
(
なが
)
い
足
(
あし
)
を大きく動かした代助は、二三町も
歩
(
ある
)
かないうちに
額際
(
ひたひぎは
)
に
汗
(
あせ
)
を覚えた。彼は
頭
(
あたま
)
から鳥打を
脱
(
と
)
つた。黒い
髪
(
かみ
)
を
夜露
(
よつゆ
)
に打たして、
時々
(
とき/″\
)
帽子をわざと
振
(
ふ
)
つて
歩
(
ある
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
前後
(
ぜんご
)
の
脚
(
あし
)
三
本
(
ぼん
)
でのそりと
留
(
と
)
まつて、
筑波
(
つくば
)
の
山
(
やま
)
を
朝霞
(
あさがすみ
)
に、むつくりと
構
(
かま
)
へながら、一
本
(
ぽん
)
の
前脚
(
まへあし
)
で、あの
額際
(
ひたひぎは
)
から
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
をちよい/\と、
其
(
そ
)
の
毎
(
ごと
)
に
口
(
くち
)
を
箕
(
み
)
のやうに
開
(
あ
)
けて、ニタ/\
笑
(
わら
)
ひで
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
体を此格好にしたゞけでも、もう
慰藉
(
なぐさめ
)
になり歓喜を生ずるのである。セルギウスは
俯伏
(
うつふし
)
になつた。髪の毛が顔に掛かつた。もう大分髪の毛のまばらになつた
額際
(
ひたひぎは
)
を、湿つて冷たい床に押し当てた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
額際
(
ひたひぎは
)
からジリジリと脂汗が流れて、宙を見上げる
瞳穴
(
どうけつ
)
が夕立空のやうにかき亂れると見るや、美しい顏が、全身を絞め上げる死の苦惱に
痙攣
(
けいれん
)
して、見る/\蒼黒く、そして紫色に變つて行くのです。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
無
(
ぶ
)
用
心
(
じん
)
だから」と云つた。
今迄
(
いままで
)
日の
透
(
とほ
)
る
澄
(
す
)
んだ空気の
下
(
した
)
で、
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かしてゐた
所為
(
せゐ
)
で、
頬
(
ほゝ
)
の
所
(
ところ
)
が
熱
(
ほて
)
つて見えた。それが
額際
(
ひたひぎは
)
へ
来
(
き
)
て
何時
(
いつ
)
もの様に
蒼白
(
あをしろ
)
く
変
(
かは
)
つてゐる
辺
(
あたり
)
に、
汗
(
あせ
)
が少し
煮染
(
にじ
)
み
出
(
だ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「左の
額際
(
ひたひぎは
)
に傷でもあるのか、いつでも
膏藥
(
かうやく
)
を貼つてゐたが——」
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
額
常用漢字
小5
部首:⾴
18画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“額”で始まる語句
額
額縁
額部
額越
額髪
額田
額堂
額口
額田王
額風呂