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雌鶏
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めんどり
ふりがな文庫
“
雌鶏
(
めんどり
)” の例文
そんな時には彼女は自分の身を、鶏小屋に
雄鶏
(
おんどり
)
がいないとやはり夜っぴて眠らずに心配しつづける
雌鶏
(
めんどり
)
にひきくらべてみるのだった。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
こんな所へ来て、こっそり髪をつくってもらうなんて、すごく汚らしい一羽の
雌鶏
(
めんどり
)
みたいな気さえして来て、つくづくいまは後悔した。
女生徒
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その側には、トサカの美しい、白い
雄鶏
(
おんどり
)
が一羽と、灰色な
雌鶏
(
めんどり
)
が三羽ばかりあそんでいたが、やがてこれも裏の林の中へ隠れて
了
(
しま
)
った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
僕はたびたび見たが、
雛
(
ひな
)
を
養
(
やしな
)
っている
雌鶏
(
めんどり
)
の
傍
(
かたわら
)
に、
犬猫
(
いぬねこ
)
がゆくと、その時の
見幕
(
けんまく
)
、全身の筋肉に
籠
(
こ
)
める力はほとんど
羽衣
(
はごろも
)
を
徹
(
てっ
)
して現れる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
金持
(
かねも
)
ちは、かごの
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
っている
鶏
(
にわとり
)
を
見
(
み
)
ました。それは、
背
(
せ
)
の
低
(
ひく
)
い、ごま
色
(
いろ
)
の二
羽
(
わ
)
の
雌鶏
(
めんどり
)
と、一
羽
(
わ
)
のあまり
品
(
ひん
)
のよくない
雄鶏
(
おんどり
)
でありました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
孔雀はその前の年に雌に死別れた
男鰥
(
をとこやもめ
)
だつたのに、
雌鶏
(
めんどり
)
には一向見向きもしないで、
鳥冠
(
とさか
)
の
紅
(
あか
)
い
雄鶏
(
をす
)
ばかりをつけ廻してゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
たった一羽の
雛
(
ひな
)
をもっていて、しかもそれがアヒルの子であったという
雌鶏
(
めんどり
)
のように、ただ一つの思想をいだいている人々。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
雌鶏
(
めんどり
)
のことばに、
雄鶏
(
おんどり
)
も羽ばたきした。——
袁家
(
えんけ
)
から申しこんできた「共栄の福利を永久に
頒
(
わか
)
たん」との辞令が、真実のように思い出された。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雌鶏
(
めんどり
)
たちの方では別になんにも言いはしない。ところが、だしぬけに、彼女はとびかかって行って、うるさく追い回す。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
庭じゅうを追いかけまわして、やっとのことで
雌鶏
(
めんどり
)
をつかまえると、爺さんは荒縄でその両脚をくくった。そして、
無花果
(
いちじく
)
の樹の根もとに連れて行った。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
十羽ほどの鶏を籠に入れて、売りに来た者がありまして、
雌鶏
(
めんどり
)
と
雄鶏
(
おんどり
)
のひと
番
(
つが
)
いを買いましたが、雌鶏の方は夏の末に
斃
(
お
)
ちてしまいまして、
雄
(
おす
)
の方だけが残りました。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いまや、
雄鶏
(
おんどり
)
も、
雌鶏
(
めんどり
)
も、七面鳥、
鵞鳥
(
がちょう
)
、
家鴨
(
あひる
)
に加えて、牛や羊とともどもに、みな死なねばならぬ。十二日間は、大ぜいの人が少しばかりの食物ではすまさないのだ。
駅馬車
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
鴉
(
からす
)
と
狐
(
きつね
)
の
問答
(
もんどう
)
、
驢馬
(
ろば
)
と小犬の問答、
雄鶏
(
おんどり
)
と
雌鶏
(
めんどり
)
の問答などを
残
(
のこ
)
らず知っています。
動物
(
どうぶつ
)
も
昔
(
むかし
)
は口をきいたということを
人
(
ひと
)
から
聞
(
き
)
いても、ローズ・ブノワさんはちっとも
驚
(
おどろ
)
きません。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
好天気の初夏の日盛りだのに、山の手の往来であるがためか、人の通って行く姿も見えない。と、一羽の
雌鶏
(
めんどり
)
であったが、小さい
鶏冠
(
とさか
)
を傾けながら、近所の犬にでも追われたのであろう。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昧暗
(
まいあん
)
から暁へ移った庭へ、
雄鶏
(
おんどり
)
が先へ飛び降りて、ククと
雌鶏
(
めんどり
)
を呼んだ。
父の俤
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
それは、ポーラとの結婚を祝する座員ばかりの水入らずの宴会の席で、ポーラがふざけて
雌鶏
(
めんどり
)
のまねをして寄り添うので上きげんの教授もつり込まれて柄にない隠し芸のコケコーコーを鳴いてのける。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
あの人はつまり女狐と住んでいたおとなしい
雌鶏
(
めんどり
)
でした。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
婦人はスムウト氏がユウタア州の生れだといふ事を訊くと、
寡婦
(
やもめ
)
の
雌鶏
(
めんどり
)
のやうにぐつと
反身
(
そりみ
)
になつて近づいて来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鳩
(
はと
)
は小屋へはいる。一羽の
雌鶏
(
めんどり
)
はけたたましく鳴きながら、
雛鶏
(
ひよこ
)
たちを呼び集める。用心堅固な
鵞鳥
(
がちょう
)
どもが、裏庭から裏庭へがあがあ鳴き立てている声が聞える。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
そして、
金網
(
かなあみ
)
を
張
(
は
)
ったかごの
中
(
なか
)
をのぞきますと、なるほど、
首
(
くび
)
の
長
(
なが
)
くて
赤
(
あか
)
い、
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い、けづめの
鋭
(
するど
)
くとがった
雄鶏
(
おんどり
)
と、一
羽
(
わ
)
のそれよりやや
体
(
からだ
)
の
小
(
ちい
)
さい
雌鶏
(
めんどり
)
がいました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
俵のかげから一羽の
雌鶏
(
めんどり
)
がひらりと飛び出した。
夢のお七
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「娘がお有りだつて。」徳富氏は
雌鶏
(
めんどり
)
の
羽
(
は
)
がひ
下
(
した
)
に卵を一つ見つけた折のやうに声をはづませた。「それぢや原稿をあげない事もないが、その代りこゝに一つ条件がある。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一晩も鶏小屋で寝たことがなく、それこそ一羽の
雌鶏
(
めんどり
)
さえ知らなかった。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ついで、中庭を歩きまわっていた、たった一羽の
雌鶏
(
めんどり
)
が階段を昇って行って、
嘴
(
くちばし
)
で、
閉
(
し
)
まっている扉をつついた。窓のほうに
頸
(
くび
)
を伸ばした。いつもの野菜屑が落ちて来ないので、出て行ってしまう。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
雄鶏は自分の
雌鶏
(
めんどり
)
をみんな呼び集める。そして、その先頭に立って歩く。見よ、彼女らは残らず彼のもの。どれもこれも彼を愛し、彼を
畏
(
おそ
)
れている——が、「もう一つの」は、燕どもがあこがれの主。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
雌
常用漢字
中学
部首:⾫
14画
鶏
常用漢字
中学
部首:⿃
19画
“雌”で始まる語句
雌
雌雄
雌猫
雌鳥
雌蕊
雌伏
雌犬
雌豹
雌牛
雌黄