“雌黄”の読み方と例文
読み方割合
しおう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
九匹の蟹をかいてある大幅の上には墨や朱や雌黄しおうやいろいろの絵具を散らして、蟹が横這いをしたらしい足跡がいくつも残っていました。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
箱入の唐墨からすみがある。雌黄しおうなんどの絵具類をまとめた袱紗包ふくさづつみがある。そんなものが匣の大半を埋めていて、その上積うわづみのようになって、やや大型の女持の懐中物かいちゅうものがある。
彩色と云っても絵具は雌黄しおう藍墨あいずみ代赭たいしゃくらいよりしかなかったが、いつか伯父が東京博覧会の土産に水彩絵具を買って来てくれた時は、嬉しくて幾晩も枕元へ置いて寝て
枯菊の影 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)