銅貨どうくわ)” の例文
佐賀錦さがにしき紙入かみいれから、の、ざく/\と銅貨どうくわまじりをあつかつた、岡田夫人をかだふじん八千代やちよさんの紙包かみづつみの、こなしのきれいさをいまでもおぼえてる。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれは、火鉢ひばちまへ凝然ぢつとしてては座敷ざしきあがにはとりをしい/\とひつつむつゝりとして卯平うへいちひさな銅貨どうくわもらつては
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
せん銅貨どうくわ子供こども確乎しっかりにぎります
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
燒趾やけあとはひから青銅せいどうのやうにかはつた銅貨どうくわはぽつ/\とけたかはのこしてあざやかな地質ぢしつけてた。かれはそれをちかづけてしばら凝然ぢつ見入みいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぐら/\とるか、おツとさけんで、銅貨どうくわ財布さいふ食麺麭しよくパン魔法壜まはふびんれたバスケツトを追取刀おつとりがたなで、一々いち/\かまちまですやうな卑怯ひけふうする。……わたしおほい勇氣ゆうきた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれ周圍しうゐにひよつとはなつた。かれるものはこれも一しんはひ始末しまつをしてるおつぎのほかにはなかつた。かれ銅貨どうくわそつたけはやしそばつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「へーい。」とやつこが、つゝんだつゝみを、ひよいとをんなわたしながら、引込ひつこめず、背後うしろたなに、煮豆にまめ煮染にしめものなどを裝並もりならべたたなしたの、賣溜うりだめの錢箱ぜにばこをグヮチャリとらして、銅貨どうくわ一個ひとつ
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)