野道のみち)” の例文
勇吉ゆうきちは、くら野道のみち提燈ちょうちんたよりに、まちかって、ちいさなあしで、いそぎますと、つめたいゆきかおにかかり、またえりもとへはいみました。
一粒の真珠 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にたのまれぬを男心をとこごゝろといふ、それよあきそら夕日ゆふひにはかにきくもりて、かさなき野道のみちよこしぶきの難義なんぎさ、あひしものはみな其樣そのやうまをせどもれみなときのはづみぞかし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もつ野道のみち山路やまみちは云も更なり都合つがふよりてはあさほしいたゞくれには月をふん旅行りよかうなす事往々まゝあるにより先生をたのみ劔術をまなびなば道中するにも心強くかつ賊難ぞくなんふせぐ一端共成事なれば此趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さびしい野道のみちとおして、やがて山道やまみちにかかりますと、背中せなかにおぶさりながらおかあさんは、みちばたの木のえだをぽきんぽきんっては、みちてました。お百姓ひゃくしょうはふしぎにおもって
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ほたる野道のみち花火はなび
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
「ああ、もう、日暮ひぐがたになった。また、あしたにしよう。」といって、かれらは、仕事しごとをきりあげて、れだって、野道のみちはなしながら、てんでにいえをさしてかえってゆくのでありました。
娘と大きな鐘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
野道のみちけば
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)