やっ)” の例文
犬を利用する外無いからうまく行けば詰る所君の手際だ、犬に目を附け初めたのは君だから、夫にしてもやって見るまでだまって居たまえ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
それから解剖してれが心臓で是れが肺、是れがかんと説明してやった所が、「誠に有難ありがたい」と云て薬種屋も医者もふっと帰って仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「いや、お前様お手近じゃ、そのあかりき立ってもらいたい、暗いとしからぬ話じゃ、ここらから一番野面のづらやっつけよう。」
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生家さとと縁故のある産婆が、遠い所からくるまに乗って時々やって来た。彼はその産婆が何をしに来て、また何をして帰って行くのか全く知らなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
校長は不審に思ったが門をたたく程の用事もないから、其処そこらを、物思に沈みながらぶらぶらしていると間もなく老僕倉蔵が田甫道を大急ぎでやって来た。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
もっともこれは病床の自分を慰めるために何か書いてくれぬかと居士の方から依頼してやったのであった。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
んでも肉の後に菓物を喫するのはいいよ、一つやってみ給え、その淡雪は口へ入れると溶けるぜ
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「あんなに可愛かあいがってやったのに……」と、甥も下女も不平らしい顔をしていた。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
実は過日こねえだうちを出てから、もうとても今じゃあ真当ほんとの事アやってるがねえからてめえに算段させたんで、合百ごうひゃくも遣りゃあ天骰子てんさいもやる、花も引きゃあ樗蒲一ちょぼいちもやる、抜目ぬけめなくチーハも買う富籤とみも買う。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ぐにお前をつかまえて、誰とも云わず先生の前に連れて行て、先生に裁判してもらうがよろしいか。心得て居ろとひどこらしめてやった事があった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「これ、その位な事は出来よう。いや、それも度胸だな。見た処、そのように気が弱くては、いかな事もやっつけられまい、可哀相に。」と声がかすれる。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
サアと成る迄は仮令たとえ長官にもしらさぬ程だけれど君は先ずわしが周旋で此署へもいれやった者ではあるし殊に是がいくさで言えば初陣の事だから人に云われぬ機密を分けて遣る其所の入口を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
願うつもりでやって来た。僕の手紙が昨日きのう郷里の方へ着いた訳だが僕の両親は手紙を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
しかしその近くで芝居をして居るからといって見ようともしない、どんな芝居をやって居るとも噂にもしない、平気で居ると云うような家風でした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わッと云うから、騒いじゃ怪我をしますよ、と私が暗い中で声を掛けたのに、猫化ねこばけやっつけろ、と誰だか一人、庭へ飛出してげながらわめいた者がある。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だからうスッカリ日本の賽転さいころで狐だの長半などをやって居るワ(大)けどが博奕打にしては衣服みなりが変だよ博多の帯に羽織などは—(谷)ナアニ支那人の博奕宿へ入込む連中には黒い高帽を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
訳のない事ですから今度一つやって御覧なさいまし
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
緑軒の連中れんじゅうじゃあないかな——俺も此処ははじめてだ。乗った電車から戻り気味に、逆に踏切を一つ越すッてこッたで、構わずその方角へやっつけよう。……半分寝ている煙草屋なんぞで道を
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はい爾とすれば其志ざしに対しても女房を懲役にやっても済ぬと思いまして
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
折角よびやったけれど君を迎えるほどの事件ではなかッたよ目
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
附け見込通り探偵するサ外の事と違い探偵ほど間違いの多い者は無いから何うかすると老練な谷間田の様な者の見込に存外間違いが有て貴公の様な初心の意見が当る事も有る貴公は貴公だけにやって見たまえ(大)ヘイわたしも是から遣て見ます(荻)遣るべし/\
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)