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草臥
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くたぶ
ふりがな文庫
“
草臥
(
くたぶ
)” の例文
冬
(
ふゆ
)
の
夜長
(
よなが
)
に、
粉挽
(
こなひ
)
き
唄
(
うた
)
の一つも
歌
(
うた
)
つてやつて
御覽
(
ごらん
)
なさい。
唄
(
うた
)
の
好
(
す
)
きな
石臼
(
いしうす
)
は
夢中
(
むちう
)
になつて、いくら
挽
(
ひ
)
いても
草臥
(
くたぶ
)
れるといふことを
知
(
し
)
りません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それで両方ともに石を手に持って登れば少しも
草臥
(
くたぶ
)
れないが、これと反対に小石一つでも持って降ると、参詣はむだになり、神罰が必ずあるといいます。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
清「いや何うも
是
(
こり
)
ゃはや、それを云おう/\と思って
来
(
け
)
たが、お
前
(
ま
)
さん
余
(
あんま
)
り
草臥
(
くたぶ
)
れたので忘れてしまったが、いや眞達さんの事に
就
(
つ
)
いてはえらい事になりみした」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かなり歩き
草臥
(
くたぶ
)
れたので、
路
(
みち
)
ばたに
茶店
(
ちやみせ
)
が一軒あつたのを仕合せに、皆はそこで一休みする事にした。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
草臥
(
くたぶ
)
れやしないかといつてはお
品
(
しな
)
の
足
(
あし
)
をさすつた。それでもお
品
(
しな
)
の
大儀相
(
たいぎさう
)
な
容子
(
ようす
)
が
彼
(
かれ
)
の
臆
(
おく
)
した
心
(
こゝろ
)
にびり/\と
響
(
ひゞ
)
いて、
迚
(
とて
)
も
午後
(
ごゞ
)
までは
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
ゐ
)
ることが
出來
(
でき
)
なくなつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「ああ
草臥
(
くたぶ
)
れた。恐ろしい
糞袋
(
くそぶくろ
)
の重たい仏様じゃね——。向うの酒屋で一杯やろうか」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
どれもどれも、
碌
(
ろく
)
でなしが、得手に帆じゃ。船は走る、口は
辷
(
すべ
)
る、
凪
(
なぎ
)
はよし、大話しをし
草臥
(
くたぶ
)
れ、嘉吉めは胴の
間
(
ま
)
の横木を枕に、
踏反返
(
ふんぞりかえ
)
って、ぐうぐう
高鼾
(
たかいびき
)
になったげにござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わしや
滅相
(
めつさう
)
草臥
(
くたぶ
)
れた。今日の宿はまだかいなあ。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「
草臥
(
くたぶ
)
れてしまった。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
直樹は中学に入ったばかりの青年で、折取った野の花を提げて、
草臥
(
くたぶ
)
れたような顔付をしながら
屋外
(
そと
)
から帰って来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「その
根際
(
ねき
)
だあ。帽子のふちも、ぐったり、と
草臥
(
くたぶ
)
れた形での、そこに、」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
又慾と二人連れで
来
(
け
)
ました……おや婆様この前は御厄介になりみした、もうとても/\この山は下りは楽だが、登りと云うたら足も腰もめきり/\と致して、やアどうも
草臥
(
くたぶ
)
れました、とても/\
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まあ、御免
蒙
(
こうむ
)
って」と
復
(
ま
)
た嫂が
草臥
(
くたぶ
)
れたらしく言った。「節ちゃん、お前も御免蒙って足でもお出し」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
峯「実はねえ
草臥
(
くたぶ
)
れました」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お蔭さまで、大楽しみを致しました」という女中までが
草臥
(
くたぶ
)
れたらしく帰って来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
多勢
(
おほぜい
)
の
旅人
(
たびびと
)
が
腰掛
(
こしか
)
けて、めづらしさうにお
蕎麥
(
そば
)
のおかはりをして
居
(
ゐ
)
ました。
伯父
(
をぢ
)
さんは
父
(
とう
)
さん
達
(
たち
)
にも
山
(
やま
)
のやうに
盛
(
も
)
りあげたお
蕎麥
(
そば
)
を
奢
(
をご
)
りまして、
草臥
(
くたぶ
)
れて
行
(
ゆ
)
つた
足
(
あし
)
を
休
(
やす
)
ませて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
こう三吉はさも
草臥
(
くたぶ
)
れているらしく答えて、それぎり黙って了った。身動きもせずにいると、自分で自分の呼吸を聞くことが出来る。彼は寝床の上に震えながら、
熟
(
じっ
)
と寝た振をしていた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今
(
いま
)
だに
父
(
とう
)
さんはあの『みさやま
峠
(
たうげ
)
』の
山越
(
やまご
)
しを
忘
(
わす
)
れません。
草臥
(
くたぶ
)
れた
足
(
あし
)
をひきずつて
行
(
い
)
きまして、
日暮方
(
ひくれがた
)
の
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
の
方
(
はう
)
にチラ/\チラ/\
燈火
(
あかり
)
のつくのを
望
(
のぞ
)
んだ
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しかつた
心持
(
こゝろもち
)
をも
忘
(
わす
)
れません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
臥
漢検準1級
部首:⾂
8画
“草臥”で始まる語句
草臥儲
草臥足
草臥休
草臥様
草臥設