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茫々
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ばう/\
ふりがな文庫
“
茫々
(
ばう/\
)” の例文
茫々
(
ばう/\
)
たる雪上何を
目的
(
めあて
)
にしてかくはするぞと
問
(
と
)
ひしに、目あてとする事はしらず、たゞ心にこゝぞとおもふ所その坪にはづれし事なしといへり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く
非常
(
ひじやう
)
に
興奮
(
こうふん
)
した
樣子
(
やうす
)
で、
眞赤
(
まつか
)
な
顏
(
かほ
)
をし、
髮
(
かみ
)
も
茫々
(
ばう/\
)
として
宿
(
やど
)
に
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
而
(
さう
)
して
何
(
なに
)
か
獨語
(
ひとりごと
)
しながら、
室内
(
しつない
)
を
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
急
(
いそ
)
いで
歩
(
ある
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
盲目らしく見せるために、頭を剃り落して一毛もありませんが、無精髯が反つて
茫々
(
ばう/\
)
と伸びて、首筋には因果の麻繩を二た重に卷いてゐるのでした。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
南に富士川は
茫々
(
ばう/\
)
たる乾面上に、
錐
(
きり
)
にて刻まれたる
溝
(
みぞ
)
となり、一線の針を
閃
(
ひらめ
)
かして落つるところは駿河の海、
銀
(
しろがね
)
の
砥
(
と
)
平らかに、
浩蕩
(
かうたう
)
として天と
一
(
いつ
)
に
融
(
と
)
く。
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
土地
(
とち
)
と
比較
(
ひかく
)
して
茫々
(
ばう/\
)
たるあたりの
容子
(
ようす
)
に
呑
(
の
)
まれた。さうして
工夫等
(
こうふら
)
に
權柄
(
けんぺい
)
にこき
使
(
つか
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
参禅して教を聴く積りで、来て見ると、掻集めた
木葉
(
このは
)
を背負ひ乍らとぼ/\と
谷間
(
たにあひ
)
を帰つて来る人がある。
散切頭
(
ざんぎりあたま
)
に、
髯
(
ひげ
)
茫々
(
ばう/\
)
。それと見た白隠は切込んで行つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
江戸
(
えど
)
のなごりも、
東京
(
とうきやう
)
も、その
大抵
(
たいてい
)
は
焦土
(
せうど
)
と
成
(
な
)
んぬ。
茫々
(
ばう/\
)
たる
燒野原
(
やけのはら
)
に、ながき
夜
(
よ
)
を
鳴
(
な
)
きすだく
蟲
(
むし
)
は、いかに、
蟲
(
むし
)
は
鳴
(
な
)
くであらうか。
私
(
わたし
)
はそれを、
人
(
ひと
)
に
聞
(
き
)
くのさへ
憚
(
はゞか
)
らるゝ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこには
假令
(
たとへ
)
安全とまでは行かなくとも、兎も角も私をかくまつて寢かせてくれた凹地が、まだそのまゝの姿で殘つてゐた。けれども草原は
茫々
(
ばう/\
)
として、唯一面の平地に見えた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
其小なるや、管見の小世態を寫すに止まれど、其大なるや、能く造化を
壺中
(
こちゆう
)
に縮めて、
鎭
(
とこしなへ
)
に不言の救世主たらむ。其状猶邊なき
蒼海
(
さうかい
)
のごとく、彌大にして彌
茫々
(
ばう/\
)
たり。又猶底知らぬ湖のごとし。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
眼下
(
がんか
)
に
茫々
(
ばう/\
)
たる大湖ありと、衆忽ち
拍手
(
はくしゆ
)
して帰途の
方針
(
ほうしん
)
を
定
(
さだ
)
むるを得たるを
喜
(
よろこ
)
び、帰郷の
近
(
ちか
)
きを
祝
(
しゆく
)
す、
日
(
ひ
)
既
(
すで
)
に中して
腹中
(
ふくちう
)
頻
(
しき
)
りに飢を
訴
(
うつた
)
ふ、されども一
滴
(
てき
)
の水を得る能はず、
况
(
いわ
)
んや飯を
炊
(
かし
)
くに
於
(
おい
)
てをや
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
茫々
(
ばう/\
)
たる雪上何を
目的
(
めあて
)
にしてかくはするぞと
問
(
と
)
ひしに、目あてとする事はしらず、たゞ心にこゝぞとおもふ所その坪にはづれし事なしといへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
茫
漢検1級
部首:⾋
9画
々
3画
“茫々”で始まる語句
茫々然
茫々乎
茫々寂々
茫々模糊
茫々漠々
茫々莫々
茫々蒼々